女性のマスターベーション(オナニー)の不適切な方法
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
女性のマスターベーション(オナニー)は、近年少しずつオープンに語られるようになってきました。女性のマスターベーションには様々な方法がありますが、もし自分の方法が適切なのか不安や疑問を感じたとしても、恥ずかしさから周囲に意見を求められない人も多いと思います。
今回は、普段聞きづらい、女性のマスターベーションの不適切な方法と注意点について、詳しく解説します。
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男性のマスターベーション(オナニー)の適切な方法
危ない!不適切なマスターベーション(オナニー)8選(男性編)
目次
女性の不適切なマスターベーションとは
①強過ぎる刺激を与える
②同じ場所を長時間刺激する
③脚ピンオナニー
④不潔な手やネイル、場所、道具
まとめ:適切な方法を心がけよう
女性の不適切なマスターベーションとは
そもそも、女性のマスターベーションに、特に手順や決まりはありません。周囲に迷惑をかけず、ご自身が満足できる方法であれば基本的にOKです。
ただ、マスターベーションの方法によっては、セックスで不都合が生じたり、怪我や病気の原因になる場合もあります。このようなリスクのあるマスターベーションは、「不適切なマスターベーション」と呼ばれます。あなた自身の健康や満足のために、不適切なマスターベーションは極力避けるのがおすすめです。
10代の若者向けの性教育WEBサイト「セイシル」にも、女性のマスターベーションについての考え方等を紹介しています。マスターベーションに関する疑問や悩みがある方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
①強過ぎる刺激を与える
強い刺激(例えば、デリケートゾーンの皮膚が荒れたり痛むような刺激)を性感帯に与えるのは良くありません。
激しいバイブレーションや、本来の用途とは異なる物を膣に挿入したり、角の尖ったものをこすりつけたりする方法は、女性器を傷つけてしまう危険があります。
出血していなくても、炎症を起こしている可能性もあるので、マスターベーションの刺激の強さには、日頃から注意できると良いでしょう。
また、乾燥していると傷つきやすいので、必要に応じてマスターベーションにも潤滑ジェルなどを使うのもおすすめです。
②同じ場所を長時間刺激する
同じ場所への長時間の刺激も、不適切なマスターベーションの一種です。
強い刺激でなくても、後から痛みや違和感が出る場合、刺激の時間が長すぎる可能性があります。
一番気持ち良い場所を長時間楽しみたい気持ちはよくわかりますが、後から痛くならない程度に注意しましょう。
③脚ピンオナニー
脚ピンオナニーとは、脚やお尻など下半身に力を入れ、脚をピンっと伸ばした状態でおこなうオナニーです。脚ピンをすると、膣やクリトリスに圧力がかかり、それによって快感を得やすくなると考えられています。
また、通常オーガズム中は骨盤底筋と呼ばれる筋肉がリズミカルに収縮↔弛緩を繰り返すのですが、脚ピンをすると骨盤底筋が強く収縮し、その状態でオーガズムを迎えると、反動で収縮↔弛緩も大きくなり、より大きな快感を得られると考えられています。
脚ピン自体が身体に悪いことはありません。むしろ、普段使わない下半身の筋肉の運動になるかもしれません。しかし、脚ピンに慣れ過ぎると、セックスでイキづらくなったり、快感を得づらくなる可能性があります。これは、セックスの体位と脚ピンの姿勢には、かなりの差があるからです。
かく言う筆者も、脚ピンオナニーのイキやすさに慣れてしまい、セックスで快感を得ることが難しくなった一人です。筆者の場合、寝転がった状態で両脚を絡ませて、太ももで膣をグッと圧迫させることで、快感を得ていました。これがマスターベーションだと気づかずに小学生の頃から毎日行っていたので、完全に辞めることは難しく、今でも月に1度はしてしまいます。
マスターベーションではイケるのに、セックスではイケないという方の中には、脚ピンが原因の方も少なくないでしょう。自覚がある方は、極力脚ピンは控え、普段のマスターベーションでも実際のセックスと近い姿勢(膝を曲げるなど)でおこなうことをオススメします。
〈参考〉女性の脚ピンオナニーについて
④不潔な手やネイル、場所、道具
マスターベーションは、清潔な場所で、清潔な手やグッズを使用して行うようにしましょう。逆に不潔な環境や、不潔な手やグッズで行うと、膣内で雑菌が繁殖し、健康被害に繋がる可能性があります。
事前に手を(爪の間まで)洗うことをオススメしますが、特にネイルの爪は汚れが溜まりやすいので、注意が必要です。また、ネイルのデコレーションはクリトリスや膣中を傷つけるリスクもあるので、特に注意しましょう。
まとめ:適切な方法を心がけよう
女性にとってマスターベーションは非常に大切なものです。しかし、一歩間違えるとセックスに支障が生じたり、健康リスクに繋がる可能性もあります。不適切な方法に注意して、日々のマスターベーションを楽しんでいきましょう。
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<この記事の監修>
淀川キリスト教病院 産婦人科
柴田 綾子(医師)
■産婦人科専門医 ■周産期専門医(母体・胎児)
淀川キリスト教病院
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 教育事業部
福田 眞央(ふくだ まお)
平成6年生まれ。保健体育科教員として高等学校に勤めた後に大学院に入り、ジェンダー学・性教育を専攻。2021年より株式会社TENGAヘルスケアに携わり、主に性教育WEBサイト「セイシル」を活用した教材作成に取り組む。
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