2022.05.06

男性の性機能障害 皆がかかえる性のお悩み

性の悩みは他人に相談しづらく、本当は治療が必要なのに、見過ごされることも少なくありません。今回は「性機能障害」に分類される、男性の性のお悩みについて見ていきます。治療法も紹介するので、お悩みがある方は見てみましょう。

目次

男性の性機能障害とは
男性の性機能障害 ①性欲の障害
男性の性機能障害 ②勃起する際の障害
男性の性機能障害 ③陰茎/挿入の障害
男性の性機能障害 ④射精/オルガズムの障害
男性の性機能障害 ⑤勃起が収まる際の障害
まとめ:性のお悩み、まずは相談を

男性の性機能障害とは

男性の正常な性機能とは、以下に挙げる流れでセックスを完遂する能力を指します。

  1. 性欲が高まる
  2. 勃起が起こる
  3. 挿入する
  4. オルガズムに達し、射精する
  5. 勃起が収まる

泌尿器科の専門誌では、性機能障害を「性欲、勃起、性交、射精、極致感のいずれか一つ以上が欠けるか、もしくは不十分なもの」と定義しています[1]。

上に挙げた「⑤勃起が収まる」はこの定義から外れますが、本記事では併せて紹介します。

男性の性機能障害 ①性欲の障害

性欲が湧かなくなると、興奮➡勃起の流れが起こらなくなり、セックスの実行が妨げられます。性欲低下の程度には個人差がありますが、性的な事柄に嫌悪感を覚えるほど重度の場合は、性嫌悪症の可能性もあります。

<参考>
「セックスが嫌い」もしかして性嫌悪症?妊活での対処方法も紹介

性欲低下の原因には、不安やストレスなど心理的要因の他、男性ホルモン(テストステロン)の低下も挙げられます。テストステロンは加齢以外にも、うつ病やAGA、前立腺がんの治療薬の影響でも低下します。テストステロン値が一定以下の場合、男性更年期障害(LOH症候群)と診断され、性欲低下以外にも様々な不調を招きます。

<参考>
男性更年期障害、LOH症候群とは?

性欲低下の治療は、原因が心理的な場合はカウンセリングが、テストステロンの低下の場合は、低下の原因の排除やテストステロンの補充が適用されます。

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男性の性機能障害 ②勃起する際の障害

セックスを行うための十分な勃起が起こらない、または維持できない状態を勃起障害(ED)と呼びます。EDは、最も一般的な男性の性機能障害です。EDの原因は様々ですが、多くの場合、勃起薬が有効です。

<参考>
勃起薬だけじゃない!EDの治療法を網羅的に解説

男性の性機能障害 ③陰茎/挿入の障害

陰茎の形が原因で、挿入できない場合があります。ぺロニー病は、陰茎内の海綿体に瘢痕(はんこん:硬いかさぶた状の組織)ができ、勃起時に陰茎が曲がってしまう病気です。ぺロニー病の場合、症状が安定するまでは内服薬で治療します。内服薬では改善しない場合、患部への局所注射や手術が検討されます。

性機能障害 ペロニー病

ぺロニー病([2]より引用)

男性の性機能障害 ④射精/オルガズムの障害

射精とオルガズムはそれぞれ別の現象ですが、男性の場合ほぼ同時に起こるので、ここではまとめて紹介します。

射精とオルガズムの障害には、以下が挙げられます。

膣内射精障害

膣内で射精できない状態です。多くの場合、不適切なマスターベーションが原因です。

<参考>
セックスでいけない?遅漏/膣内射精障害とは?症状から治療法まで解説

射精不能(無射精症)

射精ができない状態です。オルガズムが無い場合(脊髄損傷など)と、オルガズムはあるが精液が出ない場合(前立腺の摘出など)があります。

逆行性射精

射精はあるが、精液が尿道から放出されず、膀胱に流れてしまう状態です。正常な場合、射精時には膀胱頸部(膀胱の出口)が閉鎖し、精液は尿道へのみ流れます。この膀胱頸部の閉鎖が正常に起こらないことが、逆行性射精の原因です。服薬によって治療します。

早漏

望んでいるよりも早く射精してしまう状態です。膣挿入の前に射精してしまう場合を除けば、セックス自体は完遂できていますが、男性(更にはパートナー)のセックスの満足度を著しく低下させる可能性があります。

<参考>
早漏とは?基準やセルフチェック、原因、対策法などの基礎知識

男性の性機能障害 ⑤勃起が収まる際の障害

勃起という現象は、陰茎の動脈が弛緩し海綿体への血流が増え、膨張した海綿体によって静脈が閉鎖されることによって生じます。

性機能障害 勃起の仕組み

([3]より引用)

通常、射精し興奮が収まると、動脈が収縮して血流が低下し、陰茎は弛緩します。何からの原因でこの弛緩が完全に起こらず、勃起が4時間以上続く状態を持続勃起症と呼びます。

持続勃起症は、症状によって2種類に分けられます。

動脈性持続勃起症

動脈の破れによって血液の流入が止まらず、勃起が持続する場合を、動脈性持続勃起症と呼びます。動脈性持続勃起症では、痛みの程度は低く、勃起の硬度も軟らかいことが特徴です。動脈から新鮮な血液が流入しているため、処置の緊急度は高くありません。

静脈性持続勃起症

一方、静脈の閉鎖が解除されず、勃起が持続する場合を、静脈性持続勃起症と呼びます。静脈性持続勃起症では、痛みと硬い勃起を伴います。また、血液が流出しないため、陰茎が虚血状態になり、適切に処置しなければ海綿体が壊死します。壊死は、虚血後6時間で始まると言われているため、痛みと硬さを伴う持続勃起が生じた場合、スグに泌尿器科を受診しましょう。

まとめ:性のお悩み、まずは相談を

今回は、男性の性機能障害を紹介しました。性のお悩みには、今回挙げた以外にも様々なものが存在し、悩みの深さや状況は人ぞれぞれです。そのため、Webの情報だけでは適切に対処できない場合も少なくありません。

他人に相談するのは恥ずかしいかもしれませんが、健やかな性生活のために、少しでも必要性を感じた場合は、性機能専門医への相談をオススメします。

<参考>
性機能専門医へのオンライン相談(カウンセリング)

 

【参考/出典元】
[1]田中 啓幹/森岡 政明【編】, 泌尿器科ハンドブック, 大学教育出版, 2001
[2]プライベートケアクリニック東京, 男性の性機能障害について
[3]Mr.BIG SHOP ペニス解剖学

 

<この記事の監修>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック

<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
製品開発のかたわら、皆さんに役立つ性や妊活の情報をお届けします!

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