妊活の基本、タイミング法!妊娠しやすい日に適切な妊活を

本格的な妊活の第一歩とも言えるタイミング法。簡単なようで、でも適切に実施しないと効果は期待できません。また、やってみると予想外のトラブルが起こることも。

この記事では、タイミング法の方法や注意点、上手くいかない時の対処方法などをご紹介します。タイミング法を検討中していたり、実施中のカップルは、ぜひこの記事を参考により効果的でスムーズなタイミング法を実施してください。

目次

タイミング法とは?
 自宅で行うタイミング法
 医療機関で行うタイミング法
 タイミング法が可能な人:実施前の検査がオススメ
セックスすべきタイミング:毎日が理想?
 妊娠の可能性があるタイミングはいつ?
 排卵予定日の前後2日間、毎日セックスが理想的
タイミング法の妊娠率
 実施期間と妊娠率の推移
 タイミング法はどれくらい継続したらよい?
意外な落とし穴も?タイミング法の注意点
 妊活中のセックスには不満がたくさん?
 男性はEDと膣内射精障害に注意点!
 女性に性交痛がある場合
タイミング法にシリンジ法も取り入れてみよう
 シリンジ法とは
 シリンジ法の注意点
まとめ:正しくタイミング法を実施してスムーズな妊活を

タイミング法とは?

妊活 タイミング

タイミング法(タイミング療法)とは、「女性の体が妊娠しやすいタイミングでセックス(膣内射精)する妊活の方法」です。医療機関で実施することが推奨されますが、自宅で実施することも可能です。「女性の体が妊娠しやすいタイミング」=「排卵のタイミング」なので、タイミング法では排卵日の予想が重要になります。医療機関と自宅で行うタイミング法では、この排卵日の予想方法に大きな差があります。まずはそれぞれの流れや違いを見ていきましょう。

自宅で行うタイミング法

自宅で行うタイミング法の場合は、以下のような方法で排卵日を予想します。

<自宅で行える排卵日の予想方法>

  • 月経周期から予想する(28日周期の人の場合、月経開始日から14日目が排卵日)
  • 基礎体温のグラフから予想する(低温期から高温期へ変化する時期に排卵している)
  • 排卵検査薬を使用する
  • おりものの状態の変化から予想する

月経周期や基礎体温から予想する場合、生理日や体温値を日々カレンダーに記録すると、自動で排卵日を予想してくれるアプリなども存在します。ただこれらの方法による排卵日の予想は、絶対に確実という訳ではなく、数日ズレることもあります。

ですので排卵日が予想できたら、その前後2日間(合計5日間)を目安にセックスするようにしましょう。

医療機関で行うタイミング法

次に医療機関で行うタイミング法について説明します。医療機関の場合、超音波検査による卵胞サイズのモニタリングや、ホルモン値の検査によって、排卵のタイミングをより正確に予想します。また自然に排卵させるだけでなく、排卵誘発剤によって排卵を促す場合もあります。

そして、この排卵予想日に合わせて何度かセックスするように、医師から指導されます。

複数回の通院の手間と費用がかかりますが、排卵日が正確に予想できるため、自宅だけで行うよりも、妊娠の可能性は高いと言えます。

タイミング法が可能な人:実施前の検査がオススメ

重要なポイントですが、タイミング法での妊活が有効なのは、男女共に自然妊娠が可能な場合に限ります。

<タイミング法が実施可能な条件>

  • 男女共に、妊娠の妨げになるような器質性の疾患がないこと
  • 精子の質が十分であること
  • 排卵が正常に行われていること
  • 卵管の機能が正常であること

これらの検査は医療機関で実施することができます。

タイミング法を自宅で行う場合でも、医療機関で行う場合でも、これらの条件は同じです。

タイミング法を実施しようと考えたら、まずは男女共に、一度医療機関で検査を受けることをオススメします。

セックスすべきタイミング:毎日が理想?

タイミング法で妊娠するためには、排卵予定日に合わせてセックスする必要があります。では具体的にどの期間に、セックスすればよいのでしょうか?

妊娠の可能性があるタイミングはいつ?

セックスのタイミングと妊娠率

[1]より改変

こちらのグラフは、タイミング法を行った221組のカップルの、排卵日に対するセックス実施のタイミングと、そのセックスでの妊娠率の関係を表しています。破線(白丸)は、臨床的妊娠(超音波検査で子宮内に胎児が入った胎嚢の存在が確認される状態)の割合、一方実線(黒丸)は、臨床的妊娠となる手前の状態も含めた全ての妊娠率を表しています。

このグラフから、妊娠の可能性があるのは、排卵5日前~排卵当日のセックスであることが分かります。特に、排卵2日前~排卵当日に確率が高くなっていることから、この間にセックスすることが重要だと考えられます。一方、排卵6日前と1日後では、妊娠率が0%になっており、排卵日を外したセックスでは妊娠が難しい、ということが分かります。

排卵予定日の前後2日間、毎日セックスが理想的

妊娠の可能性が高いのは、排卵日2日前~排卵当日だということが分かりましたが、ではその間にどれ位の頻度でセックスするのが良いのでしょうか?

結論として、この期間中セックスは毎日行うのが良いでしょう。自宅でのタイミング法を実施している場合は、排卵日が予想と数日ズレることもありますので、それを考慮して、排卵予定日の前後2日間(合計5日間)、毎日セックスするのがオススメです。

医療機関でタイミング法を実施している場合は、医師の指導に従ってセックスをするようにしましょう。

また、「何日か禁欲して、精液を溜めてからの方が良いんじゃない?」と考えている方もいるかもしれませんが、それは基本的に間違いです。日々射精して古い精子を出した方が、質の高い精子が生成されるため、望ましいと考えられています。これはタイミング法の実施期間だけに限りません。

でも、「毎日セックスするのは大変だよ...」と思う方もきっといるでしょう。そのような方には「シリンジ法」がオススメです。詳しくはまた後ほど紹介します。

タイミング法の妊娠率

タイミング法は気軽に始められる方法ですが、妊娠する可能性はどのくらいあるのでしょうか。

実施期間と妊娠率の推移

タイミング法 妊娠率

[2]より改変

こちらのグラフは、不妊症患者437名(不妊の原因となる器質的疾患は無し)の、治療方法毎の累積妊娠率を表しています。青いライン(spontaneous)がタイミング法での妊娠率です。

このグラフのように、不妊症患者の場合、6ヵ月間のタイミング法の継続で、妊娠率は約40%、1年で約50%、2年続けても約60%と横這いになっていることが分かります。

一方、不妊症ではない、妊娠しやすい人の場合、適切なタイミングでの1回のセックスで妊娠する確率は16~18%程度、半年間での累積妊娠率は70%程度と言われています。タイミング法は、不妊症でなければ絶対に妊娠できる確実な方法とは言えないことに注意しましょう。

タイミング法はどれくらい継続したらよい?

先ほどのグラフや前述の通り、タイミング法は、長く続ければ絶対に妊娠できるという方法ではありません。男女共に検査で異常がなく、まだ若い場合でも、自宅でのタイミング法を半年実施して妊娠しない場合は、一度医療機関への相談をオススメします。年齢や体の状態によっては、タイミング法は数回まで、もしくは実施せずに、もっと高度な不妊治療に進んだ方が良い場合もあります。

意外な落とし穴も?タイミング法の注意点

タイミング法には始めてみて分かる意外な落とし穴があります。どんな注意点があるのか、そしてその対処法について解説していきます。

妊活中のセックスには不満がたくさん?

妊活のためのセックスへの不満

TENGAヘルスケアの調査によると、妊活中の20~40代の男女の内、86%が妊活のためのセックスに何かしらの不満/悩みを抱えていることが分かりました。

上記は、何かしらの不満/悩みを抱えている700名の「多かった不満/悩みのTOP5」になります。疲れていたり、忙しかったり、タイミングが合わなかったり、相手を誘いづらかったりと、セックスに至るまでの過程に多くの問題があることが分かります。

上記以外にも、

  • 相手がセックスに乗り気でなくて嫌だった/疲れた(17.7%)
  • セックスに誘うのが自分ばかりで嫌だった/疲れた(16.3%)
  • そもそもセックスが好きではないのでしたくなかった(8.1%)
  • パートナーとセックスをしたくなかった(5.3%)

など、グラフ中の「性交が義務的になってしまい嫌だった」も含め、セックス自体はできたけど精神的に嫌だった、という声も多く挙がりました。

ちなみにこれら殆どの項目で、顕著な男女差はありませんでした。男性も女性も、妊活のセックスには同じような不満/悩みを抱えていることが分かります。

そして、タイミング法でも上記のような不満/悩みは当然発生します。これらの不満/悩みを抱えたまま過ごしていると、二人の仲がギクシャクしてしまうこともあります。妊活がきっかけで不仲になるカップルは珍しくありません。タイミング法に取り組む際は、このような落とし穴があることに十分注意しましょう。

男性はEDと膣内射精障害に注意点!

上記は、男女共に気を付けたいポイントでしたが、次は男性特有の注意点を解説します。男性は、EDと膣内射精障害に注意しましょう。男性の勃起や射精機能は実はとても繊細です。妊娠の可能性が高い日に、「必ずセックスして膣内で射精いないといけない」ということに不安やストレスを感じ、EDや膣内射精障害になってしまう男性は多いのです。そして一度EDや膣内射精障害を体験してしまうと、それが次のセックスでも不安となり、また失敗してしまいます。

このような負のスパイラルを避けるためには、とにかく気負わず、リラックスしてセックスに臨むことが大切です。女性も、男性に必要以上にプレッシャーをかけないないように、気を付けてあげましょう。

ただどうしても自分達だけじゃ解決できない場合は、道具に頼ってみても良いかもしれません。EDの場合は、やはり勃起薬の服用が効果的です。ジェネリックならお手頃な価格で購入できますので、ぜひ医療機関に相談してみましょう。(注意:インターネットで診察無しで購入できる物は危険な場合もあるので、必ず医療機関に相談しましょう)

また、膣内射精障害の場合は(勿論EDの場合でも)、「シリンジ法」がオススメです。シリンジ法については、またこの後説明します。

女性に性交痛がある場合

セックスで痛み(性交痛)を感じる女性は多く、これが原因でセックスが苦手な女性も少なくありません。性交痛を自覚してしまうと、次回のセックスでもその緊張から膣が収縮してしまい、余計に痛みを感じる場合もあります。性交痛がある女性は、膣の粘膜が弱い場合も多く、無理にセックスを続けると粘膜が傷つき、炎症や感染症のリスクも増加します。タイミング法のためだからといって、性交痛を我慢して無理にセックスすることは、あまりオススメできません。

性交痛の緩和には、一般的に「潤滑ゼリー(膣用潤滑剤)」の使用がオススメです。しかし潤滑剤は基本的に、その粘性によって精子の運動を阻害してしまう場合が多く、妊活で使用する際は注意が必要です。潤滑ゼリーを使用する場合は、一度専門医に相談されるのが良いでしょう。

潤滑ゼリー以外の解決法としては、何度も出てきていますが、この場合でも「シリンジ法」が有効です。筆者の知人に「セックスすると毎回性交痛がひどく、しかも膀胱炎にもなるので妊活がつらい」という女性がいましたが、そのような場合にもシリンジ法がオススメでした。

タイミング法にシリンジ法も取り入れてみよう

では最後に、タイミング法をサポートする「シリンジ法」について紹介したいと思います。上手く取り入れて、タイミング法をスムーズにしていきましょう。

シリンジ法とは

シリンジ法とは、男性が採取した精液を、専用のシリンジとカテーテルで吸引し、膣内に注入する方法です。男性の射精が可能でさえあれば、セックスすることなく、タイミング法を行うことができます。セックスをしなくてよいため、タイミング法に伴う様々なストレスを避けることができます。また、通常のセックスと併用も可能なため、「昨日はセックスしたけど、今日は気が乗らないからシリンジ法にしよう」といったように、使い分けることもできます。排卵日周辺では、タイミングを取る頻度が多ければ多いほど良いため、チャンスを逃さないようにシリンジ法を活用してみるのも良いでしょう。

<参考>
シリンジ法を知れば、妊活はもっと自由になる 「Seed in」でセルフ妊活の選択肢を

シリンジ法の注意点

シリンジ法はタイミング法の一種なので、注意点は基本的にタイミング法と同じです。男女共に妊娠を妨げるような疾患が無いか、精子の質は十分か、排卵は正常に行われているか、などをチェックした上で実施するようにしましょう。

その他、使用に際しては以下の点にも注意しましょう。

<シリンジ法 実施時の注意点>

  • 体を清潔にしてから使用する(使用前の手洗い/シャワー)
  • 清潔なキットを使用する(個包装された物を選び、再使用は絶対にしない)
  • 精液は射精後30分以内には注入する(放置している時間が長いと精子が乾燥して死滅する)

シリンジ法は医療機関でオススメされることもあるので、使用に不安があれば、一度医師に相談してみてください。

まとめ:適切にタイミング法を実施してスムーズな妊活を

タイミング法は自宅でも実施できる妊活です。気軽に始められる反面、適切に実施できていなかったり、タイミング法が向かないカップルでは、チャンスを無駄にしてしまう可能性もあります。また、長く続ければ誰でも妊娠できる方法でもありません。ぜひ適切に情報を把握して、タイミング法を含め、自分達に合った妊活を行いましょう。

 

【参考/出典元】
[1]Wilcox, Allen J., Clarice R. Weinberg, and Donna D. Baird. "Post-ovulatory ageing of the human oocyte and embryo failure." Human Reproduction 13.2 (1998): 394-397.
[2]Brandes, M., et al. "Unexplained infertility: overall ongoing pregnancy rate and mode of conception." Human Reproduction 26.2 (2011): 360-368.

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