自律神経とED(勃起不全)の関係について
目次
自律神経とED(勃起不全)の関係
EDの原因?副交感神経を弱める4つのトラブル
セルフケア方法の紹介
機能低下には「背骨を柔らかくし、自律神経を整える」
精神的要因には「深呼吸(マインドフルネス)で、自律神経を整える」
まとめ:EDの原因を注意深く見つけよう!
自律神経とED(勃起不全)の関係
前回、自律神経が「勃起」と「射精」に大切な役割を果たすことを説明しました。
〈参考〉自律神経と男性性機能の深い関係
今回はその中でも「勃起」についてお伝えいたします。
「勃起が弱い、できない」には多くの要因が複雑に関わっています。勃起は自律神経の中でも副交感神経が優位の時に起こります。このことから、勃起するためにはリラックスし、安心感を持つことが重要だといえます。
それでは、リラックスすること以外にも、勃起と副交感神経の活動に関連する要因は何があるのでしょう。また、どんなことが副交感神経の機能を低下させてしまうのでしょうか。
EDの原因?副交感神経を弱める4つのトラブル
1.自律神経機能に関わる疾患
病院で疾患として診断されるものを指します。自律神経に関わる機能が、病気により落ち込むと、EDに繋がるケースがあります。思い当たる場合は、まず病院に受診をしましょう。
例:自律神経失調症、うつ病、各種免疫不全、ホルモン分泌異常など
2.年齢要因
活動の神経と呼ばれる交感神経の波は、生涯を通じてある程度一定ですが、副交感神経は男性では20代〜30代で低下し、30代以降は急激に低下すると言われています。「昔と比べて勃ちが悪くなったなぁ」という感覚は、年齢による自律神経機能の低下が考えられます。
3.機能低下
現代社会では、家事、育児、仕事、人間関係のストレスで「交感神経優位」となり、常に心も体も緊張していることが多いです。活動状態の時はそれでも良いのですが、何事もバランスが重要です。勃起においては、常に交感神経が昂っていると、いざという時に副交感神経の働きが弱まってしまい、「勃起がしにくい」ということになります。
例:睡眠不足、日々の疲れやストレス、体力低下、食生活などの乱れなど
4.精神的要因
「緊張すると勃たない」という経験をしたことがある方も多いでしょう。しかし、それ以外でも、考え事をして、性的興奮に気持ちがフォーカスできていない時や、頭の中がもやもやして集中できない時、過去の嫌なトラウマを思い出した時など、勃起しにくい状態になることがあります。いずれの場合も、脳はリラックスできず、性的興奮を感じても、副交感神経の働きが弱く、勃起が弱かったり途中で萎えてしまう可能性があります。
例:緊張、悩み、不安、集中力の低下、トラウマなど
今回お伝えするのは、③機能低下と④精神的要因へのセルフケア方法です。EDは多くの原因がありますが、気軽に取り組めるセルフケアを実践することで、副交感神経が優位になり、EDの軽減にも繋がります。
セルフケア方法の紹介
機能低下には「背骨を柔らかくし、自律神経を整える」
自律神経の中枢は脳の中の視床下部と脊髄にあります。その中でも、交感神経は背骨の胸髄や腰髄に多く分布しています。特に胸髄(胸椎)を通る交感神経は、「猫背」に代表されるような背中が丸まった姿勢が長く続くと、体が硬くなり、背骨の柔軟性も失われます。背骨の柔軟性が乏しいと、交感神経には常に張力がかかり興奮状態となります。
デスクワークや長時間運転をする方は、背中が丸くなりやすいため、交感神経が高まり、副交感神経の働きがセーブされてしまいます。背骨のストレッチを行うことで、柔軟性を保ち、交感神経の活動をコントロールし、よりリラックスできる状態を作り出します。
背骨を柔らかくするセルフケア方法
①椅子に深く腰掛けた状態で両手を頭の後ろで組みます。
②息を吐きながら胸を張り肩甲骨を寄せるイメージで背骨を反り、同時におへそを前に突き出すように腰をそります。(3秒)
③息を吸いながら両方の肩甲骨を離すイメージで首〜背中〜お尻を丸めます。(3秒)
①〜③を5セット行ってください。
※痛みがある場合は無理をせず慣らしながら、行ってください。
精神的要因には「深呼吸(マインドフルネス)で、自律神経を整える」
大きく深呼吸をすると、気持ちが軽くなりリラックスする経験をしたことがあるでしょう。緊張する場面では、無意識に息が上がり、空気を深く吸えず呼吸が浅くなることがあります。
自律神経は、私たちの意志とは関係なく「無意識」に生命活動を支えていますが、その中で唯一「呼吸」は、意図的に副交感神経を高める働きがあります。そこに「マインドフルネス」という、意識を自分に向けて雑念を軽減する手法を加え、「リラックス+集中」することで、心が穏やかになります。
深呼吸(マインドフルネス)の方法
①背筋を伸ばして座り、視線を落とす、または目を閉じます。
②呼吸に意識を集中させ、鼻から3秒かけて大きく吸い、口から大きく5秒かけて吐いてください。
③感覚や考えが浮かんで来たら、それを追いかけず、呼吸に意識を向けなおしてください。
この状態を5分間維持してください。
息を吸った時に「鼻から肺へ入っていく」「全身へ行きわたっている」と感じることが大切です。
まとめ:EDの原因を注意深く見つけよう!
EDに関わる要素は多くあります。「先週は調子が良かったけど、今日はイマイチだなぁ」と感じる日もあるでしょう。例えば「興奮するシチュエーションで営みをしたら勃ちが良かった!」や「ストレスを感じる日は勃たない」といった経験を通じて、自分自身の身体と心の変化に敏感になり、積極的に自分を理解してゆくことが重要です。
〈著者プロフィール〉
理学療法士 柿澤 健太郎
ある患者さんから「先生だから話すけど、実はEDで悩んでるんだ」と打ち明けられたことをきっかけに、性機能障害へのアプローチ方法を必死に勉強。結果、患者さんのEDを改善させることに成功し、「これは多くの人を救える」と考え、性に悩む男性の希望になるべく治療院を開業。睾丸マッサージをはじめとした、自律神経、体のゆがみの観点から性機能障害にアプローチしている。夢は睾丸マッサージの全国展開。昭和63年生まれ。
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