2024.03.19

膣カンジダの症状は?原因も解説 | 医師監修

注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。

膣カンジダは、主に膣・外陰部にかゆみ、白いカッテージチーズ状のおりものが出る膣炎です。女性の5人に1人は経験するといわれています。

今回はなおえビューティークリニック院長 喜田直江医師の監修のもと、膣カンジダの症状と原因を解説します。

「この症状は膣カンジダ?」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。

<この記事の監修>
喜田直江医師_プロフィール画像

なおえビューティークリニック 院長
喜田直江医師

【所属学会】
日本形成外科学会会員
日本性科学会会員
日本抗加齢医学会会員
ビビーブ認定医

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平成13年 京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。
平成15年 形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。
平成18年 大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。
平成23年10月、東京銀座でなおえビューティークリニックを開院。美容婦人科治療専門クリニック。
TV、雑誌など多数のメディアに出演中。日本形成外科学会会員、日本性科学会会員、日本抗加齢医学会会員、ビビーブ認定医、ウルトラヴェラ認定医。

 

[目次]
膣カンジダの症状
膣カンジダの原因
膣カンジダを発症したら
膣カンジダの予防方法
膣カンジダは発症・再発したら医療機関へ

膣カンジダの症状

膣カンジダの症状を現したイラスト画像
膣カンジダとは、カンジダ菌が増殖したことで膣・外陰部にかゆみの症状、また「おりもの」の性状や量に異変が生じる膣炎のことです。

膣カンジダのおりものの特徴として、ぽろぽろとしたカッテージチーズ状で白く粘り気があり、量も増える傾向にあります。酒粕やヨーグルトなどに例えられることもあります。

また、単にかゆみを感じるだけでなく痛痒いという場合や、灼熱感、性交痛があるというケースも多く、このような症状を感じたら膣カンジダの可能性があります。

膣カンジダと似た症状は、以下に挙げるような感染症でも発症します。いずれのケースも早期発見、早期治療が重要です。
 

病名 病原体 かゆみ以外の主な症状 感染経路
性器ヘルペス 単純ヘルペス(ウイルス) ・性器に1~2mm程度の水泡やただれができる

・強い痛みがある

性交渉
膣トリコモナス 膣トリコモナス(原虫) ・おりものから悪臭がする

・おりものの量が増加

・おりものが泡状で黄緑・黄色

性交渉、公共施設

タオルやシーツを介して感染することもある

細菌性膣症 膣の中で細菌が増殖して発症する ・おりものから悪臭がする

・おりものの量が増加

・おりものが灰色、水っぽい

・性交痛や不正出血がある場合も

・膣内環境の乱れ

・過度・不衛生な状態での性行為

膣カンジダの原因

カンジダ菌は、健康な人の皮膚、口内、消化器官、膣に存在している常在菌です。

普段は悪さをしませんが、カンジダ菌が異常に増えてしまうと、膣カンジダが発症します。

カンジダ菌が増える原因は、疲れやストレスによる抵抗力の低下など主に体調の崩れによるものです。

そのほかにも、抗生物質の内服によるもの、妊娠・出産によるホルモンバランスの変化、糖尿病、高温多湿な環境によってカンジダ菌が増殖します。

性交渉を通じて発症する「性病(STD)」とは異なり、性交渉の習慣がない女性にも発症します

膣カンジダを発症したら

膣カンジダを発症したら婦人科などの医療機関を受診しましょう

膣分泌物や皮膚の検査によってカンジダ症の診断を行い、膣カンジダの場合は、症状に合わせて膣錠が処方されます

デリケートな部分の疾患なので「病院に行かずに、市販薬で治したい……」「自然治癒するか様子を見たい……」という方もいるかもしれませんが、類似した他の疾患にかかっている可能性もあります

膣カンジダであっても、放置してしまうと慢性化したり、湿疹が全身に広がるなどの重症化リスクがあります。

また、出産時に発症していると、産道で胎児に感染し、鷲口瘡(がこうそう)という病気につながる場合もあります。

自己判断せずに、必ず医療機関で確定診断をしてもらい治療を受けるようにしましょう。

膣カンジダは体調の崩れなどで再発する可能性もあるので、予防も心がけると良いでしょう。

膣カンジダの予防方法

膣カンジダの症状は、かゆみやおりものの異常などです。

発症や再発を避けるための、すぐに始められる予防方法を紹介します。

規則正しい生活・食生活を心がける

睡眠をとっている女性
膣カンジダを発症するのは、体調の崩れによって免疫力や抵抗力が下がっている時です。

そのため膣カンジダの予防には、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけることが大切です。

高温多湿の環境を作らないようにする

下着やナプキン・おりものシートなどによるムレによって、カンジダ菌が増殖しやすくなります。

通気性の良い下着を着用し、ナプキン・おりものシートはこまめに交換して高温多湿の環境を作らないようにしましょう

【関連記事】月経(生理)期間中のムレ ナプキン内の湿度はどれくらい?
https://tengahealthcare.com/column/post-2736/

デリケートゾーンを洗いすぎない

デリケートゾーンを洗う際は、専用のソープを使用して、洗いすぎないようにしましょう

ボディーソープなどの強い洗浄力のものを使ったり、必要以上に洗うと膣の自浄作用を低下させてしまうためです。

デリケートゾーンのケアについては下記の記事でも詳しく紹介しています。

【関連記事】デリケートゾーンケアは何をすべき? 洗い方・保湿方法からおすすめアイテムまで紹介 | 医師監修
https://iroha-tenga.com/contents/research/16947/

膣内環境を整える

発酵食品を取り入れた和食
膣内環境を整えることも膣カンジダの予防につながります。

膣内には多種多様な細菌が存在しており、その中でも重要なのが乳酸菌です。

乳酸菌が多いと、乳酸菌が生産する乳酸によって膣内が酸性(pH4.5未満)に保たれ、他の雑菌の増殖を防いでくれます。

逆に乳酸菌が減ると、カンジダ菌も含め雑菌が増殖します。

膣内の乳酸菌を増やすには、乳酸菌のエサとなる発酵食品や食物繊維、オリゴ糖が含まれるものを食べたり、サプリメントから乳酸菌を摂取するのも良いでしょう。

膣内環境と乳酸菌の関係について、より詳しい情報は下記をご覧ください。

【関連記事】デリケートゾーンケアには乳酸菌?「膣内フローラ」について解説
https://tengahealthcare.com/column/post-9117/

膣カンジダは発症・再発したら医療機関へ

膣カンジダの症状や原因について解説してきました。

自然治癒するケースもありますが、自己判断では、症状が慢性化したり、重症化するリスクもあり、おすすめできません

当てはまる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

さらに、膣カンジダは体調の崩れによって再発しやすい病気です。

日頃から規則正しい生活と、バランスの良い食事、デリケートゾーンのケアを心がけることが予防につながります。記事内で紹介した内容もぜひ参考にしてください。

〈著者プロフィール〉

TENGAヘルスケア 綿来美紀(わたらい みき)
平成7年生まれ。女性向けWebメディアにてコンテンツ制作に従事したのち、男女問わずより多くの方の悩みを解決したいと考え、2024年2月よりTENGAヘルスケアに入社。

TENGAヘルスケアのコラムを通じてみなさまのお悩みを少しでも解決できればと考えています。いつでもご相談お待ちしています!
 

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