2023.02.05

セックスについてカップルで話すことの大切さ

遅漏トレーナーの赤木です。今回は私のところに寄せられた相談のなかで、パートナーの性機能障害(遅漏やED)についての伝え方を、うまくいった事例をもとに紹介します。

目次

カップルの間で性機能障害は悩みの種
注意したい性の悩みの伝え方
遅漏・EDは当事者だけの問題ではなく、カップルの問題として捉える
オススメの話すタイミングは「セックスが終わった後」
二人で解決できないときは第三者に相談してみよう
相談でうまくいったケース
まとめ

カップルの間で性機能障害は悩みの種

私は普段から遅漏・膣内射精障害に関する相談を受け付けているのですが、全体の相談者のうち約3割が当事者ではなく、パートナーからです。統計をとっているわけではありませんが、世の中のカップルのうち、相手の性機能(遅漏・ED)について悩んでいる、何かしら不満を感じている方はかなりいるのではないでしょうか。相談内容を伺うと、ほとんどのパートナーが「性の話題をどのように相手に伝えていいかわからない」と言います。性のことをタブー視しているような風潮では、無理もありません。たとえ性のことを話題にして伝えていたとしても、相手が答えをはぐらかして、自分の思いがうまく伝わらないことも多々あります。

注意したい性の悩みの伝え方

ではどのように伝えたらうまく伝えられるのでしょうか? 遅漏・EDの方に性の話をするときには注意したほうがいいことがあります。それを知らずに、ただ改善してほしいことだけを伝えてしまうと、逆効果になることもあります。

遅漏・EDの方に性機能に関する話を伝えるときに大切なのは、相手にプレッシャーをかけないようにすることです。男性の性機能はプレッシャーや不安を感じるとEDになってしまったり、射精が遅くなってしまったりということが知られています。たとえば、「どうして治してくれないの? 治すって何度も言っていたのに…」というように感情を伴って強く出られると、耳と心のシャッターが下りてしまう方は少なくありません。それが原因でセックスレスになってしまったり、プレッシャーからEDになってしまったりするケースは実際にあります。

遅漏・EDの当事者だけの問題ではなく、カップルの問題として捉える

私のもとに寄せられた相談のうち、2人の間で性に関する話ができて、さらに性機能障害が改善したというケースももちろんあります。うまくいったケースにはある共通点があります。それは、「遅漏・EDの当事者に原因があっても、カップルの問題として性の話を捉える」ことです。

イメージとしてはカップルの間で矢印を向かい合わせるのではなく、2人が理想としているセックス像に向かって矢印の方向を同じにするという感じです。「今日のセックスも良かったけど、もっとこうしたらよくなると思うから一緒にやってみない?」このような切り出し方はプレッシャーも与えませんし、相手に迷惑をかけているかもと思っている方も安心して取り組むことができます。膣内射精障害は当事者に原因があることがほとんどですが、それでもカップルの問題として捉えて話をすることができれば、改善のための大きな一歩を踏み出すことができます。パートナーの理解と協力は性機能障害の改善には非常に重要です。

オススメの話すタイミングは「セックスが終わった後」

性に関する話題はセックスのときにするのが負担にならないと思います。特に射精した後は賢者タイムも相まって落ち着いて話を聞いてくれるでしょう。セックスが一通り済んだあとに、2人でもっとセックスを楽しみたいから、愛を感じあえるものにしたいから、などの切り出し方は相手を身構えさせることがありません。「2人で」というキーワードは当事者だけのせいじゃない(たとえそうであっても)ことが伝わります。
〈参考〉 賢者タイムについて考えよう〜賢者タイムとは何なのか〜

ただし、それでも答えをはぐらかされてしまう、相手がなかなか行動を変えてくれないという場合には、重要な問題であることを認識してもらうために、2人の間の大切な問題として時間を確保し、ソファやベッドに横並びに座って話すようにしてください。

二人で解決できないときは第三者に相談してみる

性に関する話題はデリケートな話題ということもあり、2人で話し合ってもうまくいくことばかりではありません。その場合、思いきって第三者に相談するのもよいです。例えば日本性科学会ではセックスセラピスト・セックスカウンセラーという専門家の資格認定をしており、その一覧をホームページで公開しています(1)。相談は有料のケースがほとんどですが、解決まで丁寧に寄り添ってくれます。また日本性科学会の中にもカウンセリング室が設けられています(2)。

専門家への相談には躊躇してしまうという方には、TENGAヘルスケアにて、遅漏トレーナーの赤木がLINEでの相談を受け付けているので、まずはこちらにアクセスしてみるのもよいと思います。専門家への相談は、治療の優先度が高い場合(妊娠を希望しているなど)にはとくに有効だと思います。
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相談でうまくいったケース

ここで私のもとに寄せられたパートナーの膣内射精障害に関するご相談で、うまくいった事例をご紹介します。

Aさん(20代女性)は、将来結婚を考えているパートナー(20代男性)の膣内射精障害がなかなか改善せず、それを自分からどのように伝えたら改善してくれるのか、プレッシャーにはならないだろうかと頭を抱えていました。

ある日、パートナーから性に関することで話をしたいと切り出され、膣内射精障害であることや何度改善を試みてもうまくいかなかったことなどの告白がありました。

そこではじめて、お互いのセックスへの価値観やこれまでの経験などを話し合う機会になりました。私からはおおよそ週に一度、メッセージでやり取りをしながら、話し合いの内容をヒアリングし、Aさんからは見えていないパートナーが考えているかもしれないことを伝え、なるべく視野が狭まらないように努めました。

結果的に、それはパートナーのことを手放しで受容するきっかけとなり、お互いに射精がないセックスを受け入れ、「射精しなければならない」という執着を手放すことにつながりました。相談があって約3ヶ月後、無事に膣内射精障害を克服できました。

克服できた時には抱き合って喜ばれたそうで、私も大変うれしかったです。

Aさんのケースはよく寄せられるご相談の1つです。Aさんはたとえお互いの心に傷が残っても話し合いを続けたこと、「2人で」改善に取り組んだことで、お互いを尊敬しあえる関係性が強くなりました。その結果、Aさん自身セックスについて向き合い、辛い思いや経験をしても、パートナーも同じように辛い思いや経験をしていると考えるようになり、相手への不満は相手への尊敬に徐々に変わっていきました。また私との相談は、文章を通じてご自身のことを客観視することにつながり、冷静に判断ができるようになったようです。第三者への相談は自分では考えもしなかった視点や気づきが得られることもあります。

まとめ

パートナーの性に関することは、話題にすることも不安という方は非常に多いと思います。しかし、話をしてみないと今の状況が自然と変わることは中々ありません。勇気をもって、「2人で」というキーワードを添えて切り出してみてください。

自分の遅漏、早漏、EDなど性機能障害に関することを知られたくないと思う人もいるでしょう。好きな人の前で弱みを見せたくない気持ちは非常にわかります。しかし、大切なパートナーには隠し事をされたくない、話してほしいと思っている人が多数派ですので、カップル間で気軽に性に関する話ができると2人の絆はより一層深まっていくのではないかと思います。

〈参考文献〉
(1) https://sexology.jp/counselors_list/
(2) https://sexology.jp/counseling/

赤木達人 遅漏 ゴリ太郎

〈著者プロフィール〉
TENGAヘルスケア専属遅漏改善トレーナー
赤木達人(あかぎたつと)
昭和62年生まれ。中高一貫の男子校出身で、共学を目指して薬学部に進学。大学院で初めての恋人ができたが、一度も膣内射精ができないまま別れることに。社会人になってからも、どの恋人にも膣内射精ができず、自分が重度の遅漏(膣内射精障害)であることに気づく。結婚後に自力で膣内射精障害を克服した経験から、膣内射精障害をはじめとした男性の性機能障害についてYoutube・note・Twitterなどで「ゴリ太郎」という名前で情報発信を行っている。3児の父。

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