妊活の年代別の平均期間とオススメの妊活開始タイミング
現在妊活中や、これから妊活を始めようとしている方は、「どのくらいの期間で妊娠するのか?」が気になっているのではないでしょうか。
今回は、年代別の妊活の平均期間、オススメの妊活開始のタイミング、妊活期間を短くするための工夫について解説します。
目次
平均的な妊活期間
20代、30代、40代、各年代の妊活期間
妊活開始から妊娠までにかかった期間
妊活はいつから始めるべき?
妊活は早めの開始がベター(女性編)
妊活は早めの開始がベター(男性編)
妊活期間の短縮のために始められる妊活を
①妊活可能か、体の状態をチェックしておく
②生活習慣の改善に取り組む
③妊活に対する二人の意識を確認しておく
まとめ:自分たちの年齢や状態を意識して、妊活は計画的に
平均的な妊活期間
妊活の平均的な期間について、2つの調査結果をみていきましょう。
20代、30代、40代、各年代の妊活期間
[1]より引用
1つ目は、妊娠した20〜40代の男女を対象に、妊活開始から妊娠までの期間を調査した結果です。
20代前半では85.7%の方が「1年以内」であるのに対し、年代が上がるにつれてその割合は減少していき、40代以上では24.0%まで減っています。
また、30代に注目すると、30代前半と30代後半でも妊活期間に差が見られ、「妊活期間が3年以上」の割合は、30代前半では8.2%でしたが、30代後半では26.5%まで増加しています。
年齢が若いほど、妊活期間は短いと言えます。
妊活開始から妊娠までかかった期間
[2]を基に作成
2つ目の調査は、更に期間を細かく見ています。こちらは、妊活中/妊娠中/育児中の女性1,240名が対象です。
年代の情報はありませんが、約3割の人が「〜3ヵ月似内」、ここに「4ヶ月以上〜6ヶ月以内」を合わせると約5割の人が半年似内に妊娠していることが分かります。
これら2つのデータから、妊活の平均期間には年代差があるが、上手くいけば数か月、長いと数年かかる場合もあるということがわかります。
妊活はいつから始めるべき?
それでは「子どもが欲しい」と考えているカップルは、いつごろから妊活を始めればよいのでしょうか
いきなり結論ですが、男女共に健康体であれば、妊活は早く始められるほど、妊娠率は高いと言われています。
妊活は早めの開始がベター(女性編)
妊娠において女性の年齢は重要で、妊娠率は20代をピークとし、それ以降は下降線をたどります。NPO法人男性不妊ドクターズによると、女性が自然妊娠率できる確率は、25歳の時と比較して、35歳で半分、38歳で更にその半分、40歳以上では1/20になるとされています[3]。
[4]より引用
またこちらのグラフは、生殖補助医療(体外受精や顕微授精など)での、女性の年齢毎の妊娠率(青線と赤線)、流産率(紫線)などを表しています。女性の年齢が35歳辺りから妊娠率は大きく低下し、逆に流産率は増加していることが分かります。
以上のように、自然妊娠でも不妊治療でも、女性は年齢と共に妊娠率が低下していきます。特に35歳を過ぎるとその傾向は顕著なため、妊活は早めに始めるに越したことはないでしょう。
妊活は早めの開始がベター(男性編)
一方男性について、男性は何歳になっても変わらず、精子を出せると考えられがちです。確かに男性は、年齢を重ねても体内で日夜精子が生産され、それを射精することができます。しかし、年齢とともに精子の質は低下していくため、油断は禁物です。年齢と精子の関係について、詳しく知りたい方は以下のコラムを参考にしてください。
〈参考〉 年齢と精子の関係 精子は何歳まで元気?
男性が40代、女性が20代といった年の差カップルの場合、「女性の年齢がまだ若いから、自分たちは大丈夫だろう」などとは考えず、早めの妊活開始を検討しましょう。
精子の状態が心配な男性は、まずは精液検査を行い、自分の状態を知りましょう。その結果を見て、若いうちから精子ケアを始められると良いでしょう。
〈参考〉 精子を増やす7か条
妊活期間の短縮のために始められる妊活を
「妊活はなるべく早い(=若い)タイミングで始めるべき」ですが、20代や30歳前後は、男女ともにまだまだ自分のことで精一杯な時期です。「いずれ子どもは欲しいけれど、今は仕事も忙しいし、妊活はまだ早いかな…」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、後々の妊活をスムーズにする、今のうちにやっておきたいことを紹介します。
妊活可能か、体の状態をチェックしておく
まず、「自分達の体が妊娠可能な状態か」のチェックは重要です。「若い方が妊娠率が高い」と説明してきましたが、それは男女共に健康な場合に限ります。不妊の原因になるような疾患を抱えている場合、若くても妊娠のハードルは上がってしまいます。妊活開始前の早い段階でチェックができていると、適切な計画を立てられ、妊活を開始してから焦らなくてすみます。
チェックの具体的方法は、専門の医療機関(産婦人科、泌尿器科、不妊クリニックなど)での検査です。
【主な検査内容】
女性:排卵やホルモンの状態、器質性の疾患の有無などのチェック
男性:精液検査による精子の数や運動性のチェック
男女共:性感染症の検査、セックスでの状況の問診
検査の結果、すぐに治療を要する場合や、卵巣や精巣の機能が実年齢よりも悪く、早めに不妊治療を開始した方が良い場合もあります。
時間が経って、本格的な妊活を開始した(もしくは開始後の)タイミングで行うよりも、早めに検査を行い状況を把握しておくメリットは大きいでしょう。
②生活習慣の改善に取り組む
男女共に、妊娠しやすい体づくりや生活習慣を心がけることが大切です。生活習慣や食生活の改善によって、ホルモンバランスや精子・卵子の質が向上し、妊娠しやすい状態になります。
質の良い睡眠、バランスの良い食事、ストレスの少ない生活を心がけることが大切です。ただ、生活習慣はスグには変えられないため、妊活開始前の今から少しずつ改善しておくと良いでしょう。
<参考> ・妊活中の食事は抗酸化が大切?男女共に心がけたい、抗酸化を意識した食活習慣
③妊活に対する二人の意識を確認しておく
妊活では、体だけでなく心の準備も大切です。特に「妊活に対するカップル間の意識」を合わせておくことは重要で、足並みが揃っていないと、妊活で壁にぶつかった際に上手く協力できなくなってしまいます。以下も参考に、なるべく早いタイミングで、妊活への意識を合わせておきましょう。
<参考> 妊活ではパートナーと意識を揃える 「家族像」を共有する
まとめ:自分たちの年齢や状態を意識して、妊活は計画的に
今回は年代別の妊活の期間、そして妊活を始めるべきタイミングと、すぐに始められる妊活の準備を紹介しました。
現在妊活中の方も、これから妊活する方も、なるべくスムーズに、短期間での妊娠を望んでいると思います。そのためには、自分達の年齢や状態を意識して、計画的に妊活を進めることが重要です。20代の方も、30代の方も、40代の方も、年齢による妊活期間の変化を意識して、ぜひ二人で協力して妊活に取り組んでいきましょう。
【参考/出典元】
[1]こそだてハック調べ ever sense「【調査リリース】妊活中87.3%の女性がストレスを感じているのに対し、男性は61.1%!ストレス原因は「なかなか妊娠しない焦り」が第1位」
[2]マイナビニュース「女性86.1%が妊活中にストレス - 妊娠まで何ヶ月かかった?」
[3]NPO法人男性不妊ドクターズ 男性不妊の治療
[4]公益社団法人日本産科婦人科学会 ARTデータブック2018
SRHケアクリニック静岡院長
聖隷浜松病院 リプロダクションセンター
今井 伸(医師)
■泌尿器科医 ■性機能専門医 ■生殖医学会生殖医療専門医 ■性科学会認定セックス・セラピスト専門医
聖隷浜松病院リプロダクションセンター
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
製品開発のかたわら、皆さんに役立つ性や妊活の情報をお届けします!