専門医に聞く、新型コロナと妊活⑦ 在宅勤務が妊活に与える影響は?
在宅勤務が妊活に与える影響は?
新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が拡大する中、日本生殖医学会からは4月1日、「国内での急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安に、不妊治療の延期を推奨する」という内容の声明が出されました。
※5月18日時点で、同学会から「不妊治療の再開を考慮してほしい」という内容の通知が出されています。以下は新型コロナ禍での妊活情報、もしくは一般的な妊活情報として、ご参考ください。
(日本生殖医学会のHP http://www.jsrm.or.jp/)
新型コロナと妊活に関する素朴な疑問について、産婦人科医の柴田綾子先生(淀川キリスト教病院 産婦人科所属)と、泌尿器科医の今井伸先生(聖隷浜松病院リプロダクションセンター センター長)に伺いました。
この記事でわかること
Q.在宅勤務が妊活に与える影響はありますか?
Q.どんなことに注意して在宅勤務生活を過ごしたらいいですか?
※※先生方の回答は取材した4月30日(柴田先生)、5月1日(今井先生)時点の情報に基づいています※※
Q.在宅勤務が妊活に与える影響はありますか?
在宅勤務になり、一日中家にいて運動量が減ったり、生活リズムが乱れがちになったりすることはありますが、妊活への影響や心配の必要はないといえます。
柴田先生:在宅勤務自体は、妊活に悪影響はありません。
今井先生:規則正しい生活を送っていれば、そこまで気にすることはありません。
Q.どんなことに注意して在宅勤務生活を過ごしたらいいですか?
柴田先生:タバコの煙は妊娠しにくくなると言われています。喫煙・受動喫煙がある場合は、改善が必要です。
ご自宅だと受動喫煙になっている方も多いです。そういう場合は、パートナーと相談していただくことが必要でしょう。
また、通勤がなくなると1日の運動量が減ってしまうので、家できるヨガやストレッチ、筋トレなどを始めるのがオススメです。適度な運動は、妊娠しやすい体作りに重要です。
※プレコンセプションケア(妊娠前ケア)については、こちらの記事がおすすめ!
⑥妊活延期を決めたとき、今できることはなに?/再開はいつから準備すればいい?
今井先生:男性の場合、パソコンを膝の上に乗せて作業するのは、よくないですね。
Wi-Fiや電磁波が精液所見(濃度、運動率など)に影響するという報告もありますし、何より精巣が温まってしまうのがあまりよくありません。
長時間同じ姿勢で座っているのもあまりおすすめできません。適度な休憩も入れて仕事をしてください。
他には、在宅勤務だからという特別なものではないですが、
・熱いお風呂に長く浸かり過ぎない
・下着は締め付けのない緩めのものがいい
・フィナステリドなどの成分が配合されている育毛剤を使わない
・精子の状態をよくするサプリメントなどを飲む
・激しいトレーニングをやり過ぎない
というのもいいと思います。
特に、激し過ぎるトレーニングについては、月200キロ以上走ると、テストステロンが低下するという論文があります。
今回お話を伺ったのは
淀川キリスト教病院 産婦人科所属
産婦人科医
柴田 綾子 先生
SRHケアクリニック静岡 院長
聖隷浜松病院 リプロダクションセンター
今井 伸 先生
【TENGAヘルスケアより】
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がっています。
感染リスクへの不安や日常生活の制限があり、日々刻々と情勢が移り変わる中、
適切な情報を取捨選択し、決断しなければならない状況に、
多くのストレスを感じる方もいらっしゃると思います。
男性向けの妊活アイテムを展開し、「男性妊活」の重要性を啓発してきたTENGAヘルスケアとしましても、妊娠を希望される方が適切な情報に触れるためのお力添えをできたらと考えております。