専門医に聞く、新型コロナと妊活③ 妊娠中に熱がでた場合はどうすればいい?
妊娠中に熱がでた場合はどうすればいい?
新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が拡大する中、日本生殖医学会からは4月1日、「国内での急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安に、不妊治療の延期を推奨する」という内容の声明が出されました。 ※5月18日時点で、同学会から「不妊治療の再開を考慮してほしい」という内容の通知が出されています。以下は新型コロナ禍での妊活情報、もしくは一般的な妊活情報として、ご参考ください。 (日本生殖医学会のHP http://www.jsrm.or.jp/) 新型コロナと妊活に関する素朴な疑問について、産婦人科医の柴田綾子先生(淀川キリスト教病院 産婦人科所属)に伺いました。この記事でわかること
Q.妊娠中に熱が出て、新型コロナの疑いがある。どうしたらよいでしょうか? Q.そもそも妊娠している方にとって、熱が出るとどういう心配があるのでしょうか? Q.熱が出た場合すぐに病院に行くのではなく、まずは電話で確認する方が良いですか? Q.PCR検査ができる病院もありますか?
※※柴田先生の回答は取材した4月30日時点の情報に基づいています※※
Q.妊娠中に熱が出て、新型コロナの疑いがある。どうしたらよいでしょうか?
柴田先生:新型コロナウイルス感染症の可能性がある方に関しては、お住まいの「帰国者・接触者相談センター」にまず電話することをお願いしています。一般の方だと、37.5度以上の熱が4日続いたり、強い倦怠感、息苦しさが出たりしたら、すぐに連絡するという形(※)になっています。 ですが、妊娠している方は風邪の症状や37.5 度以上の発熱が2日程度続く場合、あるいは強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合は、お住まいの「帰国者・接触者相談センター」に電話していただくようにお願いしています。 ※5月8日からは、日数についての記載は削除になり、妊婦の方で発熱や咳などの症状があるときはお住まいの「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談していただく形に変更になりました。 ただ「電話が繋がりにくい」というお話も聞くので、その場合は「かかりつけ産婦人科」に電話でご相談していただくのがいいと思います。外にでるときや病院を受診するときは、他の方にうつさないようにマスクの着用をお願いします。Q.そもそも妊娠している方にとって、熱が出るとどういう心配があるのでしょうか?
柴田先生:もともと妊娠中は高温期になっているので、ちょっと体温が高めになります。そのため、妊娠した影響で体温が36度後半~37度前半になる方がいらっしゃいます。風邪などの症状がなく、37.5度以下の体温であれば大きく心配しなくて大丈夫です。 風邪などをひいた場合、例えば38~39度の高熱がでる場合は、解熱剤を使って体温を少し下げた方がいいと思います。新型コロナに関係なく、高熱ということだけで胎児の奇形リスクが上がる可能性があると言われているからです。 また、妊娠中の方は子宮が大きくなり、呼吸が苦しくなりやすいです。特にお腹が大きくて出産間近の方は、咳や息苦しさなどの症状が強く出たりすることがあります。 そういう時は、早めに相談センターやかかりつけの産婦人科に電話していただくのが良いと思います。Q.熱が出た場合すぐに病院に行くのではなく、まずは電話で確認する方が良いですか?
柴田先生:そうですね。熱が出たり咳などの症状が出たりしている中で、突然病院にいくと、病院の準備ができておらず長時間待たないといけなかったり、外出して人にうつしてしまったりするのが、一番心配です。 外来でも何か困ったら「まず電話してください」とお伝えしていますね。 何か変わったことがあったら電話で相談していただいて、「それじゃあこういう風にしようね」と方針を決めるのが一番安全かと思います。 かかりつけの産婦人科に相談すると、相談センターに電話した方がいいか、様子をみてもいいのかも含めてアドバイスがもらえると思います。Q.ちなみにPCR検査ができる病院もありますか?
今井先生:施設によります。いま保健所が行っているPCR検査は、3月から医療施設が申請すれば民間のPCR検査の会社と連携してその施設でも検査ができるようになりました。 数は少ないですが、産科の施設によっては民間のPCR検査会社と連携して、PCRの検査をおこなっているところもあります。 ご参考:中央社会保険医療協議会 総会 第452回 議事次第/新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況について/総2-2 今回お話を伺ったのは 柴田綾子先生 産婦人科医/淀川キリスト教病院 産婦人科所属
【TENGAヘルスケアより】 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がっています。 感染リスクへの不安や日常生活の制限があり、日々刻々と情勢が移り変わる中、 適切な情報を取捨選択し、決断しなければならない状況に、 多くのストレスを感じる方もいらっしゃると思います。 男性向けの妊活アイテムを展開し、「男性妊活」の重要性を啓発してきたTENGAヘルスケアとしましても、妊娠を希望される方が適切な情報に触れるためのお力添えをできたらと考えております。



