膣内射精障害のリスク増 危ない!不適切なマスターベーション(オナニー)8選(男性編)
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
目次
不適切なマスターベーションとは
「不適切なマスターベーション」、皆さんはこの言葉を聞いたことはありますか?
「マスターベーションに適切も不適切もあるか!」「気持ち良ければ何でも良いだろう」「普通に手で刺激すればいいんでしょ?」などと思ってはいないでしょうか?特に思春期の男子は、あの手この手で気持ちの良いマスターベーションを追及するもの。ただ気持ち良さの探求がイキ過ぎて、ペニスや脳が過度な刺激に慣れてしまうと、膣内射精障害や重度の遅漏になって後悔するかもしれません。</span ></strong >
<参考>
セックスでいけない?遅漏/膣内射精障害とは?症状から治療法まで解説</span ></a >
膣内射精障害編に悩む方の声</a >
今回は全ての男性に向け、膣内射精障害や遅漏のリスクとなる、「不適切なマスターベーション」について紹介していきます。自分だけでなく、息子や身近に思春期の男子がいる方は、ぜひ教えてあげてください。
①強グリップ
不適切Lv. ★★★★★
これは文字通り、ペニスを強く握り過ぎるオナニーです。</strong >
手の力は、膣の圧力よりも圧倒的に高いため、強グリップに慣れてしまうと膣での射精が難しくなります。重度になると、膣に入れても空気の様にスカスカし、何も感じなくなる程です。「ペニスを握る」というマスターベーションの基本動作の延長線上にあるため、一度慣れてしまうと、矯正はかなり難しくなります。
では、どの程度の力で握るのが適切なのでしょうか? 答えは「タマゴを握る位のやさしい力で」です。
②高速ピストン
不適切Lv. ★★★★★
これも読んで字の如く、性</span >交渉では不可能なほどのスピードでストロークする方法です。</span ></strong >
速いストロークに慣れてしまうと、実際の性交渉でのスピードでは遅く(=刺激が弱く)感じて、射精が難しくなります。通常のマスターベーション動作の延長線上にあるため、強グリップと併発している方も多いのではないでしょうか(筆者はそうです)。
当然適切なスピードは、「性交渉と同じ位」です。
③脚ピン
不適切Lv. ★★★☆☆
これは初耳の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
太ももの前側に力を入れて、脚をピンと伸ばした状態で射精をする方法です。</strong ></span >臀部に力を入れている場合もあります。脚をピンとさせることで射精を寸止めし、射精時の快感が高まるという人もいるようです。脚ピンに慣れすぎると、脚ピン状態でないと射精ができなくなるので、騎乗位以外の体位での射精が難しくなります。
脚ピンは、経験が無いとなかなか良さが分かりませんが、実施率は実は8.6%に上ります。(TENGAヘルスケア、2017年、オナニー国勢調査</a >)
一流の脚ピニストになると、体の中で太ももの前側だけが異常に発達しています。
改善するには、普段のマスターベーションから脚の力を抜いて行うように心掛けましょう。どうしても力が入ってしまう場合は、あぐらや正座で行ったり、実際の性交のように腰を振ってマスターベーションするのもオススメです。
<参考>
腰振りマスターベーションにオススメのグッズ</a >
ちなみに女性からも、「脚ピンじゃないとイケない」という話はよく聞きますね。
④床オナ
不適切Lv. ★★★★★★★
畳文化が生んだ凶悪なマスターベーション、それが『床オナ』です。</strong ></span >日本での床オナ実施率は6.4%です。(TENGAヘルスケア、2017年、オナニー国勢調査</a >)
正直、床オナは他の不適切な方法とは一線を画す危険度です。字の如く、床(畳や布団)に陰茎をこすりつけ、その刺激で射精に至る方法ですが、この方法が他より危険なのは、強烈な圧迫によって十分に勃起しない状態で射精に至ってしまう点です。つまり、勃起しない状態での射精に体が慣れてしまい、性交でも完全に勃起できない状態(ED)になる危険性があります。
そのような方には、勃起薬などでEDは克服できても、フタを開けたら膣内射精障害も併発してた、という二重苦が待っている場合があります。
なので、もしされている方がいたら、今すぐ床オナだけはやめましょう。もし身近に床オナ愛好家がいましたら、その人の為にも是非、この事を教えてあげてください。
治療方法は、とにかく床オナをやめて、普段のマスターベーションから、手のピストン運動で射精ができるようにすることです。いきなり手では難しいという方は、途中までは床オナをして、射精の直前に手の刺激に切り替える、と言った感じで段階的に手に慣れていくのが良いでしょう。
幸いにも、ピストン運動による射精の感覚を1回掴めるだけで、膣内射精障害が解消した例もあります。ぜひ前向きに改善に取り組んでください。
⑤振動オナニー
不適切Lv. ★★★★★
おもちゃなどの振動によって快感を得る方法です。</span >当然膣では振動は得られないため、膣内射精障害のリスクとなります。
ピストンで得られる快感とは異なる感覚で、それが良いのは理解できますが、ほどほどに楽しみましょう。
⑥皮オナ
不適切Lv. ★★☆☆☆
マスターベーション時に包皮を完全に剥かず、包皮越しに亀頭を刺激する方法です。</span ></strong >
特に仮性包茎の人は、皮オナをしている場合が多いのではないでしょうか。敏感な亀頭に直接触れなくてすむため、前述の強グリップや高速ピストンを実施しやすくなり、膣内射精障害になるリスクを孕んでいます。また、膣内では皮オナのように包皮は動かせないので、それが感覚のちがいを生み、膣内射精障害に繋がります。
対策は、包皮を完全に剥いてマスターベーションするようにしましょう。難しい場合は、皮オナをするにしても、優しく刺激することを心掛けましょう。
⑦水流オナニー
不適切Lv. ★★★★★
経験は無いけれど、何となく良さを理解できる人もいるのではないでしょうか。
シャワーやジェットバス、あるいはプール(特に大型の流れるプール)の噴水口の水流を当て、快感を得る方法です。</span ></strong >
愛好家ぞれぞれ「好みの水流」があるようで、筆者の身近の水流オナニストの手法は、シャワーを頭頂部に当てて、そこから髪の毛をつたって落ちる「滝」だそうです。当然膣とはかけ離れた刺激になるので、これに慣れると膣内射精障害リスクが高まります。
もし身近な人が、温泉や銭湯、プールで、ジェットバス等の噴射口を下腹部を当てていたら、注意してあげましょう。
⑧高刺激のオカズ
不適切Lv. ★★★★☆
マスターベーションの手法ではありませんが、使用するオカズによっては、膣内射精障害のリスクが高まります。
現実離れしたオカズに慣れ、実際のセックスでは興奮できなくなると、膣内射精障害やEDのリスクを高めます。</span ></strong >
「高刺激のオカズを使うな」とまでは言いませんが、AVなどを見ずに、「イマジネーション」のみで射精できる状態は常に維持しておきましょう。パートナーが居る方は、パートナーの想像で射精ができるとベストです。
番外編1 ED(勃起障害)
当然ですが、EDで中折れしてしまうと射精どころではありません。「挿入時間がそれ程長くないのに中折れし、射精までできない」という方は、まずはEDの改善に取組みましょう。</span ></strong >
EDの改善は服用可能な場合は勃起補助薬が手軽でおすすめです。ぜひ一度医療機関に相談してみましょう。
番外編2 包茎手術
包茎手術には、遅漏や膣内射精障害になるリスクがあります。</span ></strong >
カリや裏筋には神経末端(感覚受容器)が存在し、そこを刺激されると、刺激が中枢神経(脊髄や脳)に伝わって、最終的に快感として認識されます。包皮を切除する際に、この神経末端も一緒に取り除いてしまうと、快感を得られないペニスなってしまいます。
包茎手術は、真性包茎やカントン包茎といった絶対に手術が必要な場合を除き、特に仮性包茎の方は実施されないことを強くオススメします。
<参考>
包茎手術体験談 ~世界一の遅漏が語る、20年越しの後悔~</a >
包茎はすぐに手術した方が良い?</a >
適切なマスターベーションの方法
普段何気なく行っているマスターベーションが、実は遅漏や膣内射精障害のリスクを高めているかもしれません。マスターベーションの際は、以下を参考に「適切なマスターベーション」を心掛けてください。
適切なマスターベーションの方法</strong >
●優しく握る
●ゆっくり動かす
●脚の力を抜く
●皮は剥いて行う
●床、振動、水流などの膣とはかけ離れた刺激をしない
●イマジネーションだけでオナニーできるようにする
もし「自分は膣内射精障害かな?」と思ったら、まずはセルフチェック</a >を試してみましょう。
また、遅漏や膣内射精障害は、トレーニングも可能です。お悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
<参考>
メンズトレーニングカップ トレーニングガイド(遅漏・膣内射精障害編)</a >
<この記事の監修>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック</a >
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
製品開発のかたわら、皆さんに役立つ性や妊活の情報をお届けします!