セルフフェラを考える 自分でフェラをすると気持ち良いのか?
自分で舐められたら気持ち良いのだろうか?男性なら誰もが一度は想像し、あこがれる「セルフフェラ」。しかし、実際にセルフフェラができる人は少なく、できる人が周囲にいる場合も少ないのではないでしょうか。
今回は謎に満ちたセルフフェラについて、考えていきます。
目次
セルフフェラとは
セルフフェラへの願望と経験率
TENGA社員が語る セルフフェラ体験談
セルフフェラの脳科学的考察
疑似セルフフェラ実験
まとめ:セルフフェラにこだわり過ぎず
セルフフェラとは
([1]より引用)
セルフフェラとは、体を前屈させ自身の陰茎を口で刺激するマスターベーションの方法です。
セルフフェラの他に、「オートフェラ」や「一人フェラ」、「一人尺八」と呼ばれることもあるようです。
通常、セックスでないと味わえないフェラチオを、1人でも行える点が人々を惹きつけているのだと考えられます。
本当にセルフフェラができる人が、世の中に存在するのか疑問に思うかもしれませんが、アダルト動画サイトなどで実演を見ることができます。
セルフフェラは世の中に実在するのです。
セルフフェラへの願望と経験率
2017年にTENGAによって実施されたオナニー国勢調査(15~64歳の男性2000名)によると、セルフフェラの経験率は1.8%でした。
更に、「普段のマスターベーションの方法がセルフフェラだ」と回答した割合は、わずか0.6%でした。
セルフフェラ未経験者のうち、セルフフェラを「やってみたい」と回答した割合は7.4%でした。
ちなみに、「やってみたいマスターベーションの方法ランキング」は以下の通りでした。
1位:TENGAを使用する(44.4%)
2位:TENGA以外のグッズを使用する(24.5%)
3位:ローションを使用する(18.7%)
4位:手のピストン刺激(8.0%)
5位:セルフフェラ(7.4%)
6位:寸止め(5.9%)
7位:石鹸を利用(4.8%)
8位:脚ピン(3.4%)
9位:床オナ(3.3%)
多種多様なマスターベーションの中でも、セルフフェラが「やってみたい方法」の上位にあることが分かります。
TENGA社員が語る セルフフェラ体験談
今回の記事執筆に際し、TENGA社内でセルフフェラの経験者を1名見つけることができました。
以下はその経験者(M氏、28歳)へのインタビューです。
ーーセルフフェラはいつ頃できたのですか?
M氏:中学生と高校生の時ですね。今はもう体が硬くなったので難しいです。
ーー陰茎は根元まで全部舐められたのですか?
M氏:舐められたのは上半分でしたね。
ーーセルフフェラは気持ちよかったですか?
M氏:いや、それがあまり気持ちよくはなかったですね。陰茎への刺激にはなっていましたが、射精できるほどではないというか。
ーー刺激が足りなかったということですか?
M氏:と言うより、陰茎への刺激よりも、口の中の感覚に意識が行ってしまう感じですね。自分の指を舐めると、指が舐められている感覚よりも、指を舐めている感覚の方が強く感じると思うのですが、それに似ています。
口で硬い物を舐めたりくわえる機会って少ないと思いまして、慣れないことをしたから、その感覚に意識が行った(気になってしまった)のだと思います。
ーー舐めることに慣れたら気持ちよくなれるということですか?
それはあると思います。ただ、慣れるには相当な訓練が必要だと思います。
例えば、靴ひもって何も考えなくても手で結べるじゃないですか。一方、サクランボのへたを口の中で結べる人でも、何も考えずにできる人はそうそう居ないと思います。
ですので、どんなにセルフフェラに慣れたとしても、手よりも気持ち良いということはないと思います。
あと、そもそも体勢がキツくて、自分の場合10分が限界でしたね。セルフフェラの最中は息はできないし、オカズも見られないし。終わった後は、いつも体が痛かったです。
ーーセルフフェラをやってみたい、という人に一言お願いします。
憧れる気持ちは分かりますが、自分も含め、やってみると大したことはなかった、という人が大多数だと思います。
セルフフェラができる知人が1人いるのですが、その人も同じ意見でした。
セルフフェラのための柔軟体操は体に良いと思いますので、セルフフェラを試みること自体は良いと思いますが、もしセルフフェラができなくても、「大したことないから気落ちしないで」と伝えたいですね。
セルフフェラの脳科学的考察
ヒトの快感は、もっぱら脳で感じるものです。ですので、セルフフェラが気持ち良いかどうかは、脳の働き次第です。
そこで今回は、国立の研究機関に所属する脳科学者(T氏、32歳)に、先程の経験者のインタビュー内容も踏まえ、セルフフェラについて意見を聞いてみました。
ーー経験者曰く、セルフフェラはあまり気持ちよくないとのことだったのですが、それはなぜだと思いますか?
T氏:単純に、セルフフェラという行為に慣れていないことが原因だと思います。
ーー手の方が口より器用だから、ということは関係ありますか?
T氏:器用さでいうと、ヒトの体の中で口はかなり器用な部位になります。体の運動は脳の一次運動野が担っているのですが、一次運動野の各部位を担当している面積は、ほぼそのまま各部位の器用さに対応していると考えられています。
一次運動野の機能局在([2]より引用)
ヒトの一次運動野の各部位の分布(マッピング)を見てみると、一番広いのは手と指ですが、舌や唇、顎の面積も相当広いことが分かります。
つまり、単純な器用さが気持ち良さを左右しているわけではないと、推測できます。
ーー経験者曰く、陰茎よりも口の中の感覚が気になってしまったとのことですが、これについてはいかがですか?
T氏:これも脳のマッピングで考えてみましょう。
体性感覚野の機能局在([3]より引用)
先程は一次運動野のマッピングを紹介しましたが、こちらは感覚を司る、体性感覚野のマッピングです。
一次運動野と同じく、面積が広い部位ほど、体の感覚が敏感になります。
右上に性器の部分がありますが、唇や舌を司る部分の面積の方が、圧倒的に大きいことが分かります。
ですので、陰茎よりも口腔への刺激を強く感じた、という意見は自然だと思います。
ただ、その考え方だと、手や指の面積も性器より広いので、手でマスターベーションする際も手や指への刺激が気になってしまうことになりますが、そのように感じる人は少ないと思います。
これはやはり、手でのマスターベーションに慣れているからだと思います。
ーーつまり、セルフフェラで気持ちよくなるためには、慣れが重要ということですか?
T氏:そうですね。セルフフェラという運動や感覚に慣れると、手でのマスターベーションのように快感を得られる可能性はあるでしょう。
ただセルフフェラの前屈で息苦しい体勢に慣れるのは、相当難しいと思います。
疑似セルフフェラ実験
ここまで、経験者や専門家の話を聞いてきましたが、かくいう筆者はセルフフェラ未経験です。
そこで最後に、セルフフェラの一端に触れるため、疑似的なセルフフェラ体験をしてみました。
こちらのディルドを自分の前に置き、ディルドをフェラしながら手で陰茎を刺激してマスターベーションを試みます。
やってみると、確かに口の中の感覚が強く、マスターベーションに集中できないことが分かりました。
ディルドをくわえるのも、なかなかの息苦しさです。
これを実際には前屈しながら行うと考えると、セルフフェラができたとしても、日常的な実施は難しいと感じました。
まとめ:セルフフェラにこだわり過ぎず
セルフフェラで気持ちよくなるためには、相当な慣れが必要だと考察されました。単純にヌルヌルとした感覚を味わいたいだけであれば、市販のグッズを使用するのが良いと思います。ただもちろん、セルフフェラへの挑戦は皆さんの自由です。膣内射精障害に繋がる不適切なマスターベーションに注意して、ぜひこれからも快感を追求していってください。
セルフフェラにチャレンジした後は・・・スマホを使って精子の観察してみませんか?
【参考/出典元】
[1]Wikipedia, 一人尺八
[2]Wikipedia, 一次運動野
[3]Wikipedia, 中心後回
<この記事の監修>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
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