2021.09.30

精液量は妊活にも快感にも重要 精液量のチェック方法とは?

ご自身もしくはパートナーの精液量に注目したことはありますか?精液量は妊活だけでなく、男性が性的快感を得るためにも重要です。今回は男性の精液所見の中でも、精液量に注目して解説していきます。

目次

精液の構成
精液量を増やすメリット
 妊活でのメリット
 快感でのメリット
精液量の増やし方
精液量の測り方
精液量の基準値
まとめ:精液量を日々チェックしよう

精液の構成

そもそも、精液と精子の違いをご存じですか?

「精液」とは射精で放出される液全体のことを指し、「精子」とは精液中の生殖細胞を指します。

精液に占める精子の量の割合はわずか2~5%で、精液の90%以上は「精漿(せいしょう)」と呼ばれる液体成分です。

日頃私たちが目にし、ドロドロした液体として認識しているものは、この精漿です。

精漿は、前立腺由来の「前立腺液」と、精嚢(せいのう)由来の「精嚢液」で構成されており、その構成比率は約1:3です。

精液量を増やすメリット

精子には卵子と受精し、子孫を残すという役割があります。ですので、精子の質や数が優れていることは、生殖活動上のメリットとなります。では、精液量が増えることにメリットはあるのでしょうか?

妊活でのメリット

精液には、主に3つの役割があると考えられています。

  • 精液中に含まれる糖類が、精子が運動するためのエネルギーになる
  • アルカリ性の精液が、膣内環境(酸性)から精子を守る
  • 乾燥による精子の死滅を防ぐ

妊活おいて、精液量は多ければ多いほど良いと考えられています。

自然妊娠のためには、運動している精子の数(総運動精子数)が大切なので、例えば精子濃度が同じであっても、精液量が2倍になれば総運動精子数は2倍になり、妊娠できる可能性は向上すると言えます。

不妊治療では液量が少ないと、容器内で精液が乾燥して精液を準備(調整)できなくなるなどの問題が生じます。

快感でのメリット

多くの男性が経験していると思いますが、精液量が多い程、射精時の快感も大きくなると考えられます。

これは逆説的に、快感が大きいほど精液量が多くなるとも言えます。

確かに、射精時の快感が大きいほど、骨盤底筋周辺が強く収縮し、精液を強く押し出すと考えられていますが、そもそも前立腺液や精嚢液が十分溜まっていない場合、精液量は多くなりません。

ですので、精液量の増加は、射精時の快感増加に繋がると考えられます。

精液の増やし方

精液量を増やす方法は、基本的に精液所見を改善させる方法と同じです。

生活習慣を改善したり、専用のサプリメントを摂取するようにしましょう。

<参考>
精子を増やす!妊活のための精子の増やし方を解説
「精子を増やす7ヵ条」妊活中の男性は実践を

精育 支援 サプリメント 妊活 男性

精液量の測り方

自分の精液量が多いか少ないか、精液量はどのように測定すればよいでしょうか?

精液量は多い人でも5~7 ml程度なので、一般的な計量カップでは目盛りが大きすぎて測定できません。

計量スプーンであれば対応できそうですが、調理器具に精液をつけるのは、気が進まないでしょう。

医療機関の場合、10 ml程度のシリンジに吸引し、その目盛りを読むことで測定できますが、一般の慣れていない人が吸引すると精液が泡立ち、目盛りを読むことができなくなります。

このように、意外と難しい精液量の測定ですが、自宅で簡単に精液量を測定したい場合、メンズルーペ付属の採取計量容器の使用がオススメです。

メンズルーペ 精液量測定

この計量容器を使用すれば、容器内に射精し液化後に容器を傾けるだけで、目盛り部分で精液量を測定することができます。

この計量容器一つで測定が完結するため、他の容器や器具への移し替えによる、精液のロスは発生しません。

また、1パーツで洗いやすい構造なので、何度も使用することができます。

定期的に精液量を測定し、精液所見の改善に役立てましょう。

<参考>
スマホ用精子観察キット「TENGA MEN’S LOUPE」

メンズルーペ 精液検査 精子 観察

精液量の基準値

最後に、精液量の基準値を紹介します。

精液検査 基準値 WHO

([1]より改変)WHOの精液検査の基準値 赤枠が自然妊娠に必要な下限値

WHOが2021年に発表した、自然妊娠するための最低限の基準値は、1.4 mlです。

1年以内にパートナーが妊娠した男性の中央値は3.0 ml*、5.5 mlを超えると上位10%に入ります。
*日本人での値も同じです[2]

精液量には個人差がありますが、改善に取り組む場合は上記の数値を参考にしましょう。

まとめ:精液量を日々チェックしよう

精子濃度や運動率といった、他の精液所見と異なり、精液量は簡単に測定することができます。妊活や快感を増やす取り組みでは、日々精液量をチェックし、変化を見逃さないことが重要でしょう。

また、精液の色が体調変化の手掛かりになる場合もあります。

 

【参考/出典元】
[1]WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, Sixth edition, 2021
[2]Iwamoto, Tehttps://ruaki, et al. "Semen quality of fertile Japanese men: a cross-sectional population-based study of 792 men." BMJ open 3.1 (2013).

 

<この記事の監修>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック

<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
製品開発のかたわら、皆さんに役立つ性や妊活の情報をお届けします!

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