脱・義務感でする妊活!パートナーを尊重しつつシリンジ法を提案するには
皆さんは「シリンジ法」をご存知ですか? 先端部が柔らかなシリコンでできた器具で精液を吸い上げ、女性の腟内に注入する妊活の方法です。自宅で簡単に行えて、排卵日に合わせてセックスをする心理的・身体的な負担を軽減できることから、妊活や不妊治療についての情報サイトでも特集が組まれるなど、注目が集まっています。
「シリンジ法」は手軽で便利な方法ですが、自分は試してみたいと思っていても、パートナーに提案するのはなかなか難しいという人もいるのではないでしょうか。「自分や相手になにかよくない点があると思われてしまったら…」「セックスしたくないと思われてしまい、傷つけるかも…」などの誤解が生まれないよう、パートナーを尊重しつつシリンジ法を提案する方法について、カップルカウンセリングが専門の生殖心理カウンセラー、平山史朗先生と一緒に考えていきます。
シリンジ法をパートナーに提案する場合の伝え方・具体例
<排卵日に合わせたセックスを負担に感じている場合〜女性編>
わたしたち二人とも、子ども欲しいと思っているよね。
でも、排卵日に合わせて夫婦生活を持つのがとてもストレスになっていると感じるんだ。義務感が出てしまって気分も乗らないし、意識しすぎると私も神経質になってしまうし。
タイミング法をしようと決めたのに、あなたの帰りが遅かったりすると、1ヶ月準備してきた自分の努力が無にされたみたいで怒ってしまったこともあったよね。
このままだとセックスレスにもなってしまうのではと心配。排卵日にこだわって夫婦生活を持つのを、少しお休みしようかと思うのだけどどうかな?
妊活は続けたいけど、まだ病院に行くのは段階的に早いかなと思うから、シリンジ法を試してみるのはどうだろう?
<セックスに重きを置いていないカップルの場合〜男性編〜>
僕たちにとって、セックスはあんまり重要じゃないよね。
セックスがなくても二人が仲良く暮らせているから、僕は満足しているよ。
でも子どもは欲しいという話をしたし、どうしようか。
セックスをするのが重荷になって、喧嘩したりぎくしゃくしたりするのは嫌だよね。どうしようかなと思っていたら、シリンジ法というのを見つけたから一緒にやってみない?
平山先生が解説する、会話のポイント
①セックスについての思いを共有する
二人にとって、あるいはどちらかにとってセックスが負担になっていることを互いが理解しましょう。
②子づくりのためにセックスすることが、二人の関係を悪くしていることを確認する
このまま排卵日だけのセックスを続けることが、二人の関係によくないことを共有しましょう。
③二人にとって子どもをもつことは大切で、妊活に取り組むことは重要だということを確認する
「子どもが欲しくないからセックスが苦痛」というわけではないことを了解してもらいましょう。また、子どもが欲しいのにセックスがうまくいかないことは、二人にとってとてもつらいことだと理解し合いましょう。
④「子づくり=セックス」へのこだわりに気づく
セックスして子どもができるのが「正しい」という思い込みはありませんか? 子どもを作る方法は多様であるという考え方に気づいたり、適切な知識を学んだりして、セックスなしの妊活に取り組むことへの罪悪感を減らしましょう。
⑤子作りでないセックスを取り戻すことについての思いを話し合う
子作りにとらわれないセックスは二人にとって必要なのか、望んでいるのかについて二人で確認しましょう。望んでいるのなら、排卵日にとらわれずセックスするようにしましょう。
⑥シリンジ法について“面白がる”ことができればさらにGood
セックスとは異なる何か二人の「イベント」としてシリンジ法を楽しんでみましょう。
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妊活の選択肢の一つに「Seed in」を入れてみませんか?
男性向けの妊活アイテムを多数展開しているTENGAヘルスケアは、新たに妊活サポートシリンジパック「Seed in」を2020年12月に発売しました。
妊活に詳しい泌尿器科医の監修のもと開発され、医療機器としても認可されています。ポストから受け取ることができるスリムな梱包で、排卵日のタイミングに合わせてより手軽にお使いいただけるよう工夫をしました。
■商品詳細
商品名 :Seed in(シードイン)
参考価格 :1,300円/1本(税別)、3,000円/3本セット(税別)
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今回お話を伺ったのは
生殖心理カウンセラーの平山史朗先生
広島大学教育学部心理学科卒(平成5年)
広島HARTクリニック就職(平成9年)
アメリカカリフォルニア州サンディエゴのThe Center for Reproductive Psychology(生殖心理学センター)にてDavid Diamond(Ph.D.),Martha Diamond(Ph.D.)博士らに不妊症患者に対するカウンセリングの個人指導を受ける
平成13年~平成15年厚生科学審議会生殖補助医療部会委員
平成14年7月より東京HARTクリニックの常勤カウンセラーとなる
(財)日本臨床心理士資格認定協会認定 臨床心理士(登録番号10069)
公認心理師(登録番号 3208)
日本生殖医療心理学会 認定 シニア生殖心理カウンセラー