【妊娠初期症状チェックリスト】症状の特徴や妊娠の可能性があるときの注意点
妊娠初期には体や心に普段と違う変化が現れることがあり、その体調の変化を妊娠初期症状(妊娠超初期症状)と呼びます。
生理が遅れていて「妊娠したかも」と思ったら、妊娠初期症状がどんなものか知っていると、心構えや過ごし方を考える上で参考になるはずです。
この記事では、妊娠初期に見られやすい体調の変化のチェックリストと症状の特徴、妊娠の可能性がある時の生活の注意点などを詳しく解説します。
【記事監修】
目次
【妊娠超初期症状チェックリスト】各症状を解説
妊娠している場合、妊娠初期症状あるいは妊娠超初期症状と呼ばれる、特有の体調の変化が現れることがあります。
妊娠初期症状には個人差がありますが、中でも特に現れやすい症状をリストアップしました。自身の体調の変化にあてはまるかをチェックしてみましょう。
また、妊娠初期症状は全ての項目に現れるわけではありません。
妊娠によって基礎体温が上がる点は共通ですが、その他の症状は個人差があります。
当てはまるものがなくても、妊娠していないとは限りません。
チェックリストを参考に、妊娠検査薬が使用できるタイミングになったら妊娠検査薬でも確認するようにしましょう。
妊娠超初期症状のチェックリスト
- 胸の張り
- 眠気が増す
- においに敏感になった
- 食欲の変化
- 基礎体温が上がり、微熱がある
- 少量の出血があった
- 下腹部痛・お腹の張り感
- おりものの変化
- めまいやふらつきがある
- 気分の浮き沈みが激しい
- 腰痛
- 吐き気
次にチェックリスト内の症状について、それぞれ解説します。
1.胸の張り
胸の張り感があったり、乳頭に違和感があります。
触れると痛むこともあります。
妊娠により女性ホルモンの分泌が増え、乳腺が刺激されることでおこります。
2.眠気が増す
妊娠初期には強い眠気を引き起こすことがあります。
これは妊娠すると分泌量が増えるプロゲステロンというホルモンが眠気を促進するためです。
3.においに敏感になった
いつもよりにおいに敏感になることがあります。
今まで平気だったにおいで気分が悪くなることもあります。
4.食欲の変化
食欲がなくなったり、逆に食欲が増加したりすることがあります。
食事の好みや嗜好が変化することもあります。
これは妊娠によって分泌される複数のホルモンによるもので、食欲を刺激するもの、逆に減退させるもの、吐き気などつわりの症状を出すものなどがあり、複合的に影響して食欲に変化が起きるものと考えられます。
5.微熱がある・熱っぽい
妊娠初期は微熱が出たり、熱っぽさや汗をかきやすいと感じることがあります。
妊娠によりプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えることで、基礎体温が高くなるためです。
6.少量の出血
着床出血により、少量の出血が見られることがあります。生理に比べて出血量が少ないのが特徴です。色についても、ピンクや薄い茶色など経血とは異なります。
着床出血は受精卵が子宮内に移動し、子宮内膜に着床する際にわずかに出血する現象です。
生理予定日の前後に見られることがあります。
7.下腹部痛・お腹の張り
生理痛に似た下腹部痛や膨満感(お腹の張り)が感じられます。
便秘による不快感や腹痛を感じることもあります。
妊娠した際に分泌されるhCGホルモンの作用、全体的なホルモンバランスが乱れることで、腸の動きが弱くなることが原因です。
8.おりものの変化
妊娠によって女性ホルモン(エストロゲン)が増えておりものの量が増えたり、色が乳白色や黄色っぽくなったり、においの変化に気付くことがあります。
なお、特徴的なにおいはありません。感じ方にも個人差があります。
9.貧血気味、めまいがする
妊娠により低血糖や低血圧、ホルモンバランスの変化や貧血が起こり、めまいやふらつきを感じることがあります。
安静にし、十分な水分摂取やバランスのとれた食事を心がけることが大切です。
10.気分の浮き沈みが激しい
ホルモンバランスの変化により、イライラや気分の落ち込みが強くなることがあります。
できるだけリラックスして過ごし、好きなことをしたりして気分転換をはかるようにしましょう。
11.腰痛
妊娠初期から腰痛や背中から骨盤・恥骨あたりまで痛くなるという人がいます。
これは妊娠初期から分泌が増えるリラキシンというホルモンの影響で、産道を広げるために関節を緩める働きがあり、腰回りに違和感を覚えることがあります。
12.吐き気
妊娠すると吐き気やむかつきを覚えることがあります。
これは妊娠をきっかけに分泌されるhCGというホルモンの影響で、妊娠の維持に役立つ一方で嘔吐中枢を刺激することがあり、吐き気や気分の悪さの原因になります。
生理が遅れているのに加えこれらの症状が複数あてはまる場合、妊娠の可能性があります。ただし生理前症状(PMS)の可能性もあるため、確認のために妊娠検査薬の使用を検討しましょう。
【妊娠初期症状とは】いつから出る?
そもそも妊娠初期症状とはどんなもので、いつから出始めるのか、原因は何なのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは妊娠初期症状とは何か詳しく解説します。
妊娠初期症状は妊娠3週目ごろから
妊娠初期症状が、妊娠何週目ごろから起きるのか知るには、妊娠週数の数え方を知る必要があります。妊娠0週は妊娠前の最終月経の初日の週を意味します。
排卵はそれから2週間後辺りなので、性交渉後に受精卵が子宮内膜に着床するのは妊娠2週目から3週目頃だといえます。
着床すると妊娠が成立し、妊娠初期症状が出始める人もいます。
つまり、妊娠初期症状は妊娠3週目ごろから現れるといえます。妊娠につながる性交渉から数えると1週間から2週間ほどで妊娠初期症状を感じることがあります。
妊娠に関わる3つのホルモンの影響
妊娠初期症状は、妊娠によって分泌が増えるホルモンであるエストロゲン、プロゲステロン、hCG(人間絨毛性ゴナドトロピン)の影響で引き起こされることが多いです。
各ホルモンの働きは、次のとおりです。
- エストロゲン
- プロゲステロン
- hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
エストロゲンは子宮の血流を増加させ子宮内膜を厚くし、胎児の成長や妊娠の維持を助けます。
プロゲステロンは子宮内膜を厚く保ち、受精卵が着床しやすい状態を作り出します。また、妊娠初期には流産を防ぎ、胎児の成長を促進します。
hCGは妊娠すると生成されるホルモンで、プロゲステロンの生成を促し、妊娠を維持するのに必要なホルモンです。
これらのホルモンが複合的に働き、身体や気分にさまざまな変化をもたらします。
無症状のこともある
妊娠初期症状は、妊娠をすると必ず現れるものではありません。ほぼ無症状という人もいます。
妊娠初期の症状の程度は個人差が大きく、この記事の「妊娠超初期症状チェックリスト」であてはまる症状がないという場合もありえます。
妊娠ではなく婦人科系疾患の可能性もある
生理が来ない=妊娠したとは限りません。婦人科系疾患によって生理が遅れている可能性もあります。
妊娠初期症状か婦人科系疾患にかかっているかは見分けるのが難しいですが、妊娠検査薬を使用することで妊娠の有無がわかります。
妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用できるので、その地点で妊娠がなく、引き続き生理が遅れている場合には、一度婦人科を受診するようにしましょう。
妊娠初期症状と月経前症候群(PMS)は見分けられる?
妊娠初期症状と月経前症候群(PMS)を自分で確実に見分けることは難しいといえます。
生理が遅れ、平熱よりも高い体温が数日続くなど「妊娠超初期症状チェックリスト」の症状らしきものがある場合、妊娠の可能性が高まります。
しかし一方で、排卵前の高温期やPMSでも似た症状が見られることがあります。
また妊娠の場合、生理予定日前後で着床出血が1〜3日間ほど続くことがあります。ただしこちらも排卵日前後の出血の可能性が否定できません。
生理予定日の1週間を過ぎても生理が来ず妊娠が疑われる場合、妊娠検査薬を使用して確認する必要があります。
「妊娠していなかった」とがっかりしないために
生理が遅れ妊娠初期症状らしきものもあったのに妊娠していなかった…といったがっかりを防ぐためには、基礎体温を記録し、自身の生理周期や排卵日を把握しておくことが効果的です。
自分の体調の変化を把握しておくことで、妊娠の可能性をより冷静に判断できるようになります。
また妊活中はできるだけリラックスして過ごし、妊娠しなければ…というプレッシャーやストレスをひとりで抱え込まないように意識しましょう。
妊娠検査薬の適切な使い時
生理が遅れ、妊娠の可能性がある場合は、市販の妊娠検査薬の使用を検討しましょう。
妊娠検査薬の使用は、生理開始予定日から1週間後からが最適です。
妊娠検査薬は、妊娠時に分泌されるhCG(人間絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが尿中から一定量検出されると陽性反応が出ます。そのため、使用するタイミングが早すぎると正しい結果が出ません。
より早く知りたいという人は、生理開始予定日の3日前後から利用可能な早期妊娠検査薬もあります。ただし通常の妊娠検査薬よりも精度が劣ることは留意しておきましょう。
妊娠の可能性があるとき注意すること
確定ではないけれど妊娠の可能性がある時、お腹にいるかもしれない赤ちゃんのために、これまでと同じ生活をしていていいのか気になりますよね。
妊娠の可能性がある時に気を付けたい注意点を解説します。
タバコやアルコールを控える
妊娠の可能性がある場合、タバコやアルコールの摂取は控えましょう。
胎盤を通じて胎児に影響を及ぼす可能性があります。
薬の服用は医師に確認する
薬を服用する際は慎重に判断し、できれば医師に相談しましょう。
また病院で薬を処方してもらう際には、必ず妊娠の可能性があることを伝えましょう。
カフェインの過剰摂取を控える
過度なカフェイン摂取は、妊娠に悪影響を与える可能性があります。
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどカフェインが多く含まれている飲み物の摂取量には注意し、適切な範囲内に抑えます。
激しい運動を控える
妊娠の可能性がある時は、激しい運動は避けましょう。
体に負担がかかりすぎない適度な運動を心掛けます。
感染症に注意する
妊娠中は免疫が低下しやすいため、インフルエンザなど感染症には十分な注意が必要です。
手洗い・うがいや予防接種などで感染予防を心がけましょう。
動物との接触に注意する
動物、特に猫から感染することがあるトキソプラズマは、胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
猫以外でも人間に感染する病原体を持つ可能性があるため、ペットとの接触後は手をよく洗う、トイレの処理は家族に任せるなど対策を取りましょう。
赤ちゃんの発育に必要な栄養をとる
妊娠の可能性がある場合、赤ちゃんの発育のためにも栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
特に葉酸は胎児の脳や脊椎の発達に重要で、神経管閉鎖障害のリスクを減らします。
神経系は妊娠初期に形成されるため、可能であれば妊活中から摂っておきたい栄養素です。
妊娠初期はこんな時期
妊娠している可能性がある人は、今自身が真っ只中なのかもしれない「妊娠初期」とはどんな時期なのか気になりますよね。
妊娠初期とは通常、受精卵が子宮内に着床してから約妊娠12週間(妊娠4ヶ月)までの期間を指します。
一般的に、最後の月経の初日から数えて約2週間後に排卵が起こり、その後、受精が成立すると子宮に着床します。そのため、妊娠の確定は通常妊娠4週目ごろになります。
妊娠初期は母体のホルモンバランスが急激に変化しながら、赤ちゃんの神経管や心臓など重要な器官を発育させます。
母体には妊娠の兆候(妊娠初期症状)が現れ、妊娠検査薬で確認できます。しかし、妊娠初期の症状には個人差があり、ほとんど感じられない場合もあります。
妊娠検査薬で陽性が確認できたら産婦人科を受診し、医師の指示に従って過ごします。
妊娠初期症状を理解し適切なタイミングで検査薬を
この記事では妊娠初期に出やすい症状やその特徴、そして妊娠を希望する人への注意事項について詳しく解説しました。
妊娠初期には様々な体調の変化があり、妊娠超初期症状は個人差も大きいです。
「妊娠超初期症状チェックリスト」を参考にしつつ、妊娠しているのかPMSなのか自分だけでは判断がしづらいので、妊娠検査薬が使える時期までは冷静に待つことが大切です。
また妊娠の可能性がある場合、たばこやアルコールをやめる、カフェインを控えるなど、赤ちゃんの健康を考えた生活を心がけましょう。
妊娠初期の可能性がある時期は、身体も心も不安定になりやすいといえます。パートナーに相談しながら穏やかな気持ちで過ごすようにしましょう。