【医師監修】遅漏とは?原因と対策を解説|タイプ別改善方法も紹介
「パートナーとの性交中になかなか射精ができない…」
「途中で疲れて中折れしてしまった…」
「マスターベーションの際、強く握らないと射精がむずかしい...」
こうした「射精が難しい」という悩みを抱えている男性は少なくありません。
遅漏や膣内射精障害は単なる性の問題にとどまらず、パートナーとの関係性や自己肯定感にも大きな影響を及ぼします。
この記事では、遅漏の定義や基準、原因のタイプごとの特徴と対策についてわかりやすく解説します。また、TENGAヘルスケアの遅漏カテゴリ担当社員のマメ知識も紹介しておりますので、参考にしてみてください。
目次
1. 遅漏とは?基準と定義
遅漏(ちろう)とは、性行為中に射精が本人の意図より遅れ、そのことが本人やパートナーにストレスを与える状態を指します。
性行為中に「なかなか射精ができないぞ...?」と感じたことがある人は要注意です。
特徴的なのが「普段のマスターベーション(オナニー)では問題なく射精できる」という点です。
そのため、実際の性行為時に初めて自分が遅漏だと気づいた、という場合も少なくありません。
また、遅漏が重度の場合は膣内での射精ができなくなり、膣内射精障害と呼ばれ、不妊の原因にもなります。
2. 遅漏は何分から?男女で異なる認識
実際には「何分から遅漏」という明確な基準はないため、男女の理想の挿入時間から考えてみます。
こちらは、TENGAヘルスケアがおこなったアンケート調査です。
女性449名*の、セックスでの「実際の挿入時間」と、「理想とする挿入時間」のデータで、 実際の挿入時間の平均は11.2分、理想の挿入時間の平均は9.7分でした。
*20~40代:各100名、50代:80名、60代:69名 平均年齢42.7歳 2017年実施
あくまで平均値ですが、「実際の挿入時間」と「女性の希望する挿入時間」に大差はないことが分かります。
また、理想の挿入時間として多かった回答は以下でした。
理想の挿入時間
1位:10分(20.9%)
2位:5分(18.9%)
3位:1分未満(12.9%)
4位:15分(9.6%)
5位:3分(7.1%)
データを集計すると、約75%の女性が「10分以下」 の挿入時間を希望している一方、 30分以上の挿入時間を希望する女性は8%程度と少数派でした。
一方、こちらは男性に向けたアンケートで、自分の射精の早さを「正常」「多少遅漏」「遅漏」「非常に遅漏」と自己診断している男性*の、普段のセックスでの挿入時間の平均値です。
*各100名(20~40代、平均年齢36.9歳)
自分のことを「正常」と回答している男性でも、女性の理想の挿入時間(9.7分)の約1.5倍、「多少遅漏」と思っている程度でも女性の理想の約2倍であったりと、男女の挿入時間に対する認識の差が伺えます。
ただ、30分以上の挿入を希望している女性もいるため、相手の要望を確認することは必要であると言えます。
〇TENGAヘルスケア 遅漏カテゴリ担当のマメ知識
【挿入時間って、何を参考にしている?】
みなさんは、挿入時間の目安って何を参考にしていますか?
時間では考えたことがないな、という人も1~2分は短いと感じるのではないでしょうか。
参考となるのは、他人の性行為だと思いますが、なかなか見る機会はないと思います。
そして、唯一の見る機会としてあるのがアダルトビデオ(AV)だと思います。
ただ、アダルトビデオでの性行為は実際に即していない場合も多く、演出の面から挿入時間も長くなりがちです。
アダルトビデオの性行為なんて参考にしてないよ~という人も、挿入時間の長さはなんとなく参考にしてしまっている可能性もあるかも知れません。
この機会に、ぜひ挿入時間についてパートナーと話してみることをおすすめします!
3. 遅漏の主な原因タイプ
遅漏は原因別にいくつかのタイプに分けられます。
鈍麻性遅漏(不適切なマスターベーションが原因)
【不適切なマスターベーション例】
・強い握力でのオナニー「強グリップ」
・布団やベッド、床に擦りつける「床オナ」
・射精時に脚を伸ばして力を入れる「脚ピン」
・電動マッサージ機など強い刺激の使用
通常の性行為とはかけ離れた強い刺激などの不適切なマスターベーションが習慣化することによって、ペニスの感覚が鈍化し、通常の性行為での自然な刺激では十分な快感を得られなくなってしまっている状態です。
遅漏原因の7割程度を占めると言われる最も多いタイプです。
また、特定の姿勢や体勢でないと射精ができないという場合もあり、刺激方法以外でも注意が必要です。(脚ピンが代表的な例)
年齢が若い人でも起こりえる原因の遅漏であり、「初めての性行為で自分が遅漏・膣内射精障害だと知った」という場合も少なくありません。
衰弱性遅漏(加齢や体力低下が原因)
加齢による身体機能(勃起や体力面)の低下が原因で生じる遅漏です。
40代以降の男性に多く見られ、男性ホルモンの分泌低下や勃起力、基礎体力の衰えが原因となり引き起こされます。
特に多いパターンは、加齢による勃起力の低下が原因となっている場合です。
勃起時の硬さが不十分だと、射精に至るまで勃起を維持することが難しくなるためです。いわゆる「中折れ」と呼ばれる状態です。
中折れの症状が原因で遅漏となっている場合、勃起補助薬を服用することで勃起障害が解消され、遅漏の改善に繋がることもあります。
心因性遅漏(心理的ストレスが原因)
心理的なストレスが原因となる遅漏で、特定の相手や状況で起こりやすいタイプです。
射精や勃起は自律神経によってコントロールされていますが、自律神経はストレスや不安の影響を受けやすく、乱れてしまうことがあります。
その結果、正常な勃起や射精が妨げられることにつながります。
心因性遅漏を改善するためには、心理的なストレスの軽減が必要になります。
心理的なストレスの軽減には、「人に話をする」ことがとても効果的です。
「身近にこういう話をできる人がいない」という場合は、ぜひTENGAヘルスケアのLINEサポートに相談してみてください。
薬剤性遅漏(薬の副作用が原因)
抗うつ薬(SSRI、SNRI)や高血圧薬、AGA薬などの、射精・勃起の制御に関わるセロトニンやアドレナリン量が変化したり、血行障害が起こったりすることで射精が難しくなります。
服薬を止めることで改善する場合が多いですが、自己判断で中止するのは危険ですので、医師に相談することが重要です。
4. 遅漏の対策・改善方法
自分が遅漏になってしまった原因を特定、把握することで、適切な対策を講じることができます。
原因となっている日々の生活や無意識下の癖を見直すことで、改善できたケースも少なくないので、「自分はこれに当てはまるかも?」と想像しながら、参考にしてみてください。
適切なマスターベーションの習慣を身につける
まず、最も多いタイプである鈍麻性遅漏の方が必要なことは、適切なマスターベーションの習慣を身につけることです。
適切なマスターベーションの方法を教わった、という方はとても少ないため、知らず知らずの内に不適切な方法でおこなってしまっている可能性が高いです。
以下の方法を参考に、自分のマスターベーションのやり方を振り返ってみてください。
STEP1:握る強さを調節する
強く握りすぎてしまっている人はとても多いです。
陰茎を握る際の強さの目安は、卵を割れないように持つ時と同じと言われています。
STEP2:ストロークの速さを調節する
ストロークの速さは、セックスの腰振りと同等の速さが良いとされています。
目安としては、1秒間に1.5回ぐらいの速さです。
STEP3:体をリラックスさせる
全身、特に脚に力を入れないようにしましょう。
脚ピンの癖がある人は、あぐらでおこなうことをおすすめします。
STEP4:刺激の強いオカズを避ける
刺激の強いオカズばかりでマスターベーションしていると、実際のセックスでの刺激では物足りなくなってしまいます。
また、お気に入りのおかずだけでなく、動画⇔写真やマンガなどの画像⇔想像といった、一つのおかずだけを使い続けず、新鮮さを保つことも大切です。
生活習慣の改善
次に、衰弱性遅漏や心因性遅漏の方には、生活習慣の改善をおすすめします。
生活習慣を改善することで、ホルモンのバランスや自律神経系に良い影響があります。
直接的な改善方法ではないため、軽視されがちな内容ですが、射精も体の1つの反応であることを忘れず、日々の運動習慣・食生活・適度な睡眠の中から、できそうなところから始めていきましょう。
パートナーとのコミュニケーション
心因性遅漏の方に特におすすめなのは、パートナーと挿入時間について話しあってみることです。
例えば、自分は20分という挿入時間を長いと思っているが、パートナーが別に長いと思っていない場合、二人にとっては20分のままで良いということもあると思います。
心理的な要因による遅漏の場合、お互いの理解が症状の改善に大きく影響することがあるため、恥ずかしがらずに話してみることをおすすめします。
5. 遅漏に関するよくある質問(FAQ)
Q. 遅漏を治す薬はありますか?
→ 遅漏は不適切なマスターベーションの習慣や心因的な場合が多く、薬だけでの改善は現状難しいと言えます。ただし、射精まで勃起が維持できないことによる遅漏の場合は、ED薬の服用で改善することがあります。
Q. 遅漏は精力剤で改善できますか?
→ 精力剤は、マカや亜鉛などを配合した「健康食品」です。これらは薬ではなく、あくまで食品扱いなので「効能効果」を薬のように保証できるわけではありません。あくまで体調サポートや栄養補助の位置づけです。
Q. 遅漏に効く漢方薬はありますか?
→ 体力低下やストレスが原因の場合に補助的に効果が期待できます。
Q. 遅漏は不妊の原因になりますか?
→ 膣内射精障害に移行すると不妊の原因になります。
6. まとめ|遅漏は原因に合わせた対策で改善できる
遅漏は原因を特定し、対策と予防をおこなうことで改善が期待できます。
対策と予防の基本は、適切なマスターベーションの習慣化と生活習慣の改善です。
自分のマスターベーションのやり方と生活習慣を見直し、できることから1つずつ取り組んでみてください。
また、パートナーと挿入時間について話し合ってみることも大切です。
セックスはあくまでコミュニケーションの1つです。
自分一人で悩みこまず、二人で話してみることで、お互いの理解がさらに深まり、解決の糸口が見つかることもあります。
ぜひ、恥ずかしがらずに話す機会を設けてみることをおすすめします。
不適切なマスターベーションの習慣を自分で正すのは難しく、結局いつものマスターベーションに戻ってしまうという方は多いです。
TENGAヘルスケアから発売されているメンズトレーニングカップは、日本初の遅漏の方向け専用トレーニングアイテムです。
5段階の刺激レベルのカップでマスターベーションをおこなうことで、徐々に適切な刺激での射精に慣れることができます。
「強く握ってしまっているのはわかっているけど、いつものマスターベーションをやめられない」という方は、ぜひメンズトレーニングカップでのトレーニングに取り組んでみてください。

<この記事の監修>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック

<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 井上 貴夫(いのうえ たかお)
平成5年生まれ。2021年に株式会社TENGAヘルスケアへ入社、TENGAヘルスケア製品の営業や製品の開発・サービス周辺(早漏・遅漏関連)を担当。
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