
妊活中に薬の服用は大丈夫?危険と言われる真相と関係を解説
妊活を進める中で、さまざまな不安が生じることがありますが、その一つに薬の服用が挙げられます。薬の種類によっては、少量でも母体を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、妊活中の薬の使用には注意が必要です。
この記事では、妊活中に薬が与える影響について詳しく解説し、日常的に使用される薬との適切な付き合い方について紹介します。
目次
妊活中に市販薬を飲んでも大丈夫?
順天堂大学医学部附属静岡病院・産婦人科「こうのとりくらぶ vol.45 2017春号」によると、現在販売されているほとんどの薬には、心配するような危険性はないとされています。
しかし、厚生労働省では、妊娠している女性や妊娠の可能性がある女性は、特定の医薬品の使用に特別な注意が必要であると述べています。そのため、妊娠の可能性がある場合は、医師への相談が大切です。
さらに、治療のために妊娠中も継続使用が必要な医薬品も存在するため、妊娠が判明してもすぐに使用を中止するべきではない場合もあります。医師との連携を大切にし、安全に配慮した医薬品の使用が重要です。
妊活中に薬を服用することに不安を感じる方も多いでしょう。薬が赤ちゃんや母体にどのような影響を及ぼすかを理解することが大切です。
参考:妊活中の服薬について|東京都の妊娠支援ポータルサイト|東京都妊活課
妊活中の常備薬服用について
妊活中でも日常的に使用する可能性がある常備薬には、頭痛薬、花粉症の薬、風邪薬などがあります。
これらの薬が妊娠にどのような影響を与えるかを理解し、安全に使用するためのポイントを押さえることが重要です。
妊活中の頭痛薬
妊活中の頭痛薬選びは、慎重に行う必要があります。効果が穏やかな「カロナール(アセトアミノフェン)」が用いられることが多いです。
具体的な薬の選択は薬剤師に相談し、成分表を確認して選びましょう。
妊活中の花粉症の薬
妊活中でも花粉症の薬を使用することがあります。
抗ヒスタミン薬など、一部の花粉症薬は妊娠中でも使用可能ですが、医師に相談し、安全な薬を選びましょう。
妊活中の風邪薬
風邪を引いた際には、妊活中でも風邪薬が必要になることがあります。市販薬の選択は慎重に行い、パッケージや成分表をよく確認して選びましょう。薬剤師からもアドバイスを受けることが推奨されます。
医薬品の種類によっては一定期間避妊を行う必要もある
厚生労働省によると、特定の医薬品を使用している間や使用後に性交渉を行う場合、パートナーと共に適切な避妊方法を用いて一定期間避妊する必要がある場合があります。避妊方法やその期間については、医師や薬剤師に必ず確認しましょう。
また、医薬品使用中や使用後に妊娠した場合は、自分の判断で薬の使用を中断せず、医師や薬剤師に相談することが重要です。妊娠中の医薬品使用に不安がある場合は、「妊娠と薬情報センター」やその拠点病院で相談することが推奨されています。
参照:妊娠と薬|厚生労働省
妊娠前・妊娠中の予防接種について
風疹ワクチンといった生ワクチンに該当するものは、病原性が弱まっていても、ウイルス自体を体内に接種するため、妊娠中には行えません。しかし、風疹は妊娠中に感染してしまうと、赤ちゃんにも影響を及ぼす感染症の一つとされています。
妊娠初期の妊婦が風疹に罹患すると、赤ちゃんの目・心臓・聴覚に障害が出やすくなります。先天性風疹症候群を発症した赤ちゃんが生まれやすくなるため、妊活中のワクチン接種が必要です。
なお、赤ちゃんに影響を与えないために、風疹ワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必須となります。そのため、妊活を考えているカップルは、早めに風疹の予防接種と抗体検査を受けるようにしましょう。
妊娠中に避けた方が良いとされている薬
市販薬において妊娠中に避けるべき薬はほとんどないと言われていますが、処方薬については妊娠中に避けた方がよいとされている薬があります。
処方時に妊娠中である旨を伝えることが重要ですが、自分でも可能な範囲で気を付けるようにしましょう。
下記でいくつか紹介します。
ボルタレンやロキソニンなどの鎮痛剤
妊娠中期以降になると、服薬が禁忌とされます。なぜなら、母体から酸素を貰うために胎児期だけに作られる血管を収縮させる恐れがあるからです。
なお、妊活中の頭痛や発熱には、効果が穏やかな「カロナール(アセトアミノフェン)」が用いられることが多いです。
塩酸ミノサイクリンやクラビットなどの抗生物質
塩酸ミノサイクリンやクラビットといった抗生物質も、妊娠中には避けるべきとされています。これらの薬剤は胎児に毒性を持つものが多いため、使用には十分な注意が必要です。抗生物質が必要な場合は、必ず医師に相談し、妊娠中に安全とされる薬を処方してもらいましょう。
妊活中の男性も注意が必要
妊活中は女性だけでなく、男性も薬の影響に注意が必要です。一部の薬剤は精子の質に影響を与える可能性があり、妊娠の成功率に影響を及ぼすことがあります。男性も服用中の薬について医師に相談し、必要な場合は代替薬を検討することが重要です。
妊活中の薬の服用は医師に相談を!
慢性的な病気にり患している方は、将来の妊娠に備えて、今後の治療方針や薬の服用について医師に相談する必要があります。また、妊娠後には、治療の担当医だけでなく産婦人科医への相談も重要です。担当医師同士が連携を図ることで、母体や赤ちゃんの安全を確保できるようになります。
母体の健康は、赤ちゃんの健康に直接結びついています。妊娠前、妊娠中、出産後といったタイミングには、それぞれの時期でどのような対処が必要なのか事前に確認しておくと良いでしょう。
あらかじめ相談しておいた内容に合わせて、薬の服用を中止したり薬自体を変更したりと、症状と妊娠週数に応じた対応が必要不可欠です。