排卵日はいつ?おりものなどの症状・計算で予測できる?妊娠確率が高いタイミングも解説

妊娠の確率を上げるためには、適切なタイミングでセックスを行うことが必要です。そのタイミングを見極めるためには、排卵日を正確に予測することが大切です。

この記事では、医師監修のもと、排卵日を予測するための計算方法や、排卵日前後に現れやすい症状、妊娠確率が高い期間などについて解説します。

現在妊活中で、排卵日について知りたい方は、ぜひ最後までチェックしてください。

 

【記事監修】

記事の監修者情報・著者情報

芥川修 医師

  • 日本産婦人科学会認定医
  • 母体保護法指定医
  • 胎児心エコー認証医
  • 日本産科婦人科遺伝診療学会認定医
  • 新生児蘇生法インストラクター(NCPR)
  • Da Vinci surgical system ライセンス
  • FMFライセンス
  • JCMELS
  • 日本周産期新生児医学会暫定指導医

 

排卵日はいつ?

そもそも排卵とは、卵巣の中で成熟した卵子が卵胞を破り、卵巣の外に出てくる状態を指し、排卵が起こった日のことを排卵日といいます。

排卵日は、一般的に前回の生理開始日の14〜16日後に起こります。

排卵日を予測する方法で最も簡単なのが、以下のように、前回の生理開始日から計算する方法です。

前回の生理開始日+(生理周期-14日)=排卵日

例えば、生理周期が30日で、前回の生理開始日が5月1日だった場合の排卵日の計算式は、以下のようになります。

5月1日+(30日-14日)=5月17日

この方法は、最後の生理開始日を覚えておくだけで、簡単に排卵日予測ができるのがメリットです。

ただし排卵日は、体調によって生理周期が前後する場合もあります。あくまでも、排卵日を知る目安のひとつとして捉えるといいでしょう。

排卵日の予測は、生理開始日を元に計算する以外にも、さまざまな方法があります。

ここからは、排卵日前後に現れる体の症状から排卵日を予測する方法をご紹介します。

参照:愛媛労災病院「排卵日は?」

排卵日前後に現れる症状6つ

月経が終わると、女性の体では次の排卵・妊娠に向けて体を作るために卵胞ホルモンが分泌されます。排卵が終わると、妊娠の継続や、基礎体温のコントロールを助ける黄体ホルモンが分泌されます。

女性の体では、排卵日前後になると、さまざまなホルモンの増加や減少が盛んに行われます。ホルモンバランスが崩れやすくなるうえ、自律神経も乱れがちになり、以下のような症状を感じることが多くなります。

  1. 排卵痛・腰痛
  2. 排卵出血とおりものの増加
  3. 頭痛やめまい
  4. 胸の張りや便秘・肌荒れなどの不調
  5. 体温の変化による気だるさ・眠気
  6. イライラや気分の落ち込み

排卵時は卵胞が破れることにより、痛みを感じたり腰に張りを感じたりすることがあります

人によっては、排卵時に出血することもあります。出血量は少ないことが多く、おりものが少し茶色っぽくなったり、下着にごく少量の血液がついたりする程度です。

また、自律神経が乱れることで、頭痛・胸の張り・眠気・イライラなど、心身ともに不調を感じるケースも多いでしょう。

排卵前後に現れる症状は、月経前後の症状と似ていることもあるため、「月経前では」と、混乱する方も多いかもしれません。しかし、これらの症状の多くは、排卵の影響によって出るものでもあります。

排卵日前後におけるおりものの状態

排卵日前後のおりものの状態について詳しく解説します。

おりものとは、膣や子宮内膜、子宮頸部などから出る分泌物を指します。おりものには、膣の自浄作用や受精をサポートする働きなどもあります。

おりものの状態を把握することで、排卵日の時期をある程度予測できるため、覚えておくといいでしょう。

排卵日直前(2~3日前)|よく伸びるおりもの

排卵日直前になると、卵胞ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が増えます。卵胞ホルモンには、妊娠に向けて子宮内膜を厚くしたり、乳房の発育を促したりする以外に、おりものを増やす働きもあります。

排卵日直前のおりものは、精子を受け入れ、妊娠を成立させやすくする働きがあると考えられています。

そのため、おりものはよく伸びる透明の状態が特徴です。この時期のおりものを指にとってみると、10cm以上伸びることもあります。

この状態が3日以上続き、量が最も多くなった2日後に排卵が起こるといわれています。

排卵日当日~排卵後|やや伸びるおりもの

排卵日になると、卵胞ホルモンの分泌はおさまり、黄体ホルモンが増えてきます。その影響で、おりものの量は減少します。粘り気は徐々におさまりますが、やや粘度は残っており、少し伸びるのが特徴です。

おりものの色も、排卵日直前は透明だったのに対し、だんだんと白っぽい色に変化していきます

生理直後|ほとんど伸びないおりもの

生理が終わったばかりの頃は、おりものが出ることはほぼありませんが、生理が終わり2〜3日ほど経過してくるとまたおりものが出始めます。

生理直後は卵胞ホルモンの分泌がまだ少ないため、量は少なく伸びもほとんどありません

この時期に多量のおりものが出たり、白色以外のおりものが出たりする場合には、感染症の疑いもあるため、病院を受診するようにしましょう

基礎体温・排卵検査薬での予測方法

妊娠の確率を上げるためには、より正確な排卵日予測が大切です。

排卵日を予測する方法には、基礎体温チェックと排卵検査薬を使用する方法があります。

基礎体温で排卵日予測を行うには、毎日朝一番に基礎体温を測り、測定結果をグラフ化します。毎日計測を続けグラフ化すると、排卵日を境に低温期と高温期に分かれます。

基礎体温チェックは、毎月の体のリズムがわかるだけでなく、現在の体の状態を知るきっかけにもなりますので、早い段階で習慣化しておくといいでしょう。

排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモンの濃度を測定することで、排卵を予測する方法です。
排卵日が近づくと、尿中の黄体形成ホルモンの濃度が高まり、排卵日前から判定できるため、妊娠確率の高いタイミングがわかりやすい方法でもあります。

基礎体温と排卵検査薬は併用することで、より精度の高い排卵日予測につながります。基礎体温表でチェックした排卵予測日の数日前から排卵検査薬を使用し、判定結果で陽性が出たタイミングから性交渉すると、妊娠確率が高くなりやすいでしょう。

参照
厚生労働省研究班監修ヘルスケアラボ「基礎体温」
厚生労働省「黄体形成ホルモンキットに係る一般用検査薬ガイドラインの策定について」

排卵日の2日前が最も妊娠確率が高いタイミング

妊娠の確率が最も高くなる時期は、排卵日の2日前といわれています。

女性の体は、生理終了日から排卵日に向けて卵子を育てたり子宮内膜を厚くしたり、妊娠の準備を始め、卵子が成熟したタイミングで排卵します。

排卵後の卵子の寿命はおよそ1日なのに対し、精子の寿命は3日です。排卵日に精子が子宮内にある状態が、妊娠の確率を高めるポイントといえます。精子の寿命の方が長いことを考慮すると、排卵の2〜3日前から性交渉を始めるのがいいでしょう。

妊活に必要な栄養素はサプリメントで摂取するのがおすすめ

妊活中は、排卵日管理だけでなく、必要な栄養素を毎日摂取し、いつ妊娠してもいいように身体を整えておくことが重要です。

特に葉酸は、胎児の脳や脊髄の元となる神経管を作る栄養素のひとつです。神経管が胎内で作られるのは妊娠発覚前になるため、妊活中から摂取しておく必要があるでしょう。

葉酸以外にも、以下は、現代の日本人女性に不足しがちな栄養素です。

  • ビタミン
  • ミネラル
  • タンパク質
  • カルシウム

これらの栄養素は、野菜や肉、魚介類や穀物などをバランス良く摂取することで補えます。

ただし、1日3食毎日バランスの良い食事を心がけるのは難しいうえ、摂取しきれない栄養素も出てくるでしょう。妊活中は、食事とサプリメントを上手に組み合わせて、必要な栄養素を補うのがおすすめです。

 

排卵日は妊娠確率が高くなる!3日前頃から性交渉を行うのが◎

排卵日2日前から排卵日にかけて、妊娠の確率は高くなります。毎日の基礎体温チェックや排卵検査薬などを活用した排卵日予測はとても大切です。

妊娠の確率をより高めたい場合、排卵日が体調などによって前後することや、精子と卵子の寿命が異なることも考慮し、排卵予測日の3日前頃から性交渉をしましょう。

妊活をスムーズに進めるため、排卵日について正しい知識を持つことが大切です。