妊娠検査薬の正しい使い方3ステップ!失敗しないポイントやタイミングも解説
「妊娠しているかも」と思ったときにすぐに妊娠判定ができる妊娠検査薬。ドラッグストアでも手軽に購入できるうえ、採尿するだけで簡単に判定できるため、とても便利です。ただし、正しい使い方をしないと誤った判定結果が出ることもあるので注意しましょう。
この記事では、医師監修のもと、妊娠検査薬の正しい使い方や失敗しないポイントなどについて紹介します。
【記事監修】
目次
妊娠検査薬を使う前に知っておきたいこと
妊娠検査薬を使用する前に、正しい判定結果が出やすいタイミングと、妊娠検査薬の種類によって検査可能なタイミングが異なる点を理解しておく必要があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
妊娠検査薬を使用できるのは生理予定日の1週間後から
妊娠検査薬は、生理予定日から1週間経過したタイミング以降に使用しないと、妊娠の判定が正確にできません。
妊娠検査薬は、女性の尿中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの濃度を測定し、濃度が基準を超えているか否かで妊娠の有無を判定する仕組みになっています。
hCGは、受精卵が子宮内膜に着床することで分泌され始めます。妊娠4週目以降になると、妊娠検査で感知可能な量や濃度になります。そのため、妊娠が成立していても、検査するタイミングが早すぎると、妊娠ホルモンが測定可能な分泌量に至らないケースが多く、陰性になることがあるので注意しましょう。
早期妊娠検査薬なら生理予定日頃から検査できる
生理予定日から1週間以内で検査したい場合は、早期妊娠検査薬を使用しましょう。
早期妊娠検査薬は、通常の検査薬で感知できる妊娠ホルモン濃度の約半分の濃度で判定できるのが特徴です。生理予定日当日から検査可能な製品も多いため、すぐに検査結果を知りたい場合に活用してみてもいいでしょう。
ただし、判定結果の精度は、通常の妊娠検査薬の方が高いと言われているため、その点を理解したうえで使用してください。
妊娠検査薬の正しい使い方3ステップ
ここでは、基本的な妊娠検査薬の使い方を紹介します。
- 妊娠検査薬に尿をかける
- 水平にして判定結果が出るまで待つ
- 陽性か陰性かを確認する
一般的に、市販の妊娠検査薬には取扱説明書や使用方法が添付されています。商品によっては使い方が異なる場合もあるので、使用する際には、内容をよく読んで正しい使い方で検査しましょう。
1.妊娠検査薬に尿をかける
スティックタイプの妊娠検査薬の場合、キャップを外して採尿部分に尿をかけます。直接かけるのに抵抗がある場合は、清潔な紙コップなどに尿を採ってから、検査薬の採尿部分を浸しましょう。
2.水平にして判定結果が出るまで待つ
判定結果が出るまでの間、妊娠検査薬は水平にして置いておきましょう。妊娠検査薬を縦に置いておいたり、斜めにしたりすると正しい判定結果が出にくくなりますので、置き場所には注意が必要です。
判定終了窓にラインが現れたら、判定結果をチェックして検査は終了です。
3.陽性か陰性かを確認する
陽性か陰性かの判定サインは検査薬によって多少異なりますが、一般的に判定窓にラインが現れたら陽性、なにも出てこなければ陰性であることが多いでしょう。
結果が陽性だった場合はすみやかに産婦人科を受診し、妊娠に異常がないかの診断を受けましょう。まれに判定結果が陰性の場合でも、妊娠していることもあります。
また、生理不順や婦人科系疾患が隠れている可能性もあるため、検査後も生理がこなければ、医療機関を早めに受診しましょう。
妊娠検査薬で失敗しない使い方のポイント4つ
精度の高い妊娠検査薬を使用しても、使い方や使用するタイミングなどで正しい結果にならないことがあります。ここでは、妊娠検査薬で失敗しないための使い方について、以下の通り紹介します。
- 起床後すぐに検査する
- 採尿は時間を空けずに検査する
- 妊娠検査薬の保管方法に注意する
- フライング検査に気をつける
1.起床後すぐに検査する
妊娠検査薬を使用するタイミングは、起床後すぐがおすすめです。妊娠の有無は、尿中に含まれる妊娠ホルモン濃度を測定することで判定されます。
起床後すぐは、夜寝ている間にたまった尿のため、尿中の妊娠ホルモン濃度も高い傾向にあります。妊娠している場合は、起床後すぐに検査した方が、陽性判定が出やすいと言われています。
ただし、妊娠ホルモンの分泌量は個人差が大きいため、妊娠していても妊娠ホルモン濃度が一定以上に達していなければ陽性反応は出ません。
2.採尿は時間を空けずに検査する
紙コップなどに採尿した場合は、できるだけすみやかに検査しましょう。
採尿後時間が経ちすぎてしまうと、尿中に雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が増えた尿の場合、正しい判定結果が出ないこともありますので、注意が必要です。
3.妊娠検査薬の保管方法に注意する
妊娠検査薬には使用期限があります。
使用期限が切れた妊娠検査薬は、正しい判定結果にならない可能性がありますので、期限切れの検査薬は使用しないようにしましょう。
また、未使用の妊娠検査薬を自宅で保管する場合は、温度管理に注意しましょう。保管場所の温度が高すぎたり低すぎたりすぎると、判定結果の精度が下がりやすくなります。
4.フライング検査に気をつける
妊娠検査薬を使用する時期が早すぎることを、フライング検査といいます。「妊娠検査薬を使用できるのは生理予定日の1週間後から」でも解説している通り、hCGの濃度が低く、正しい結果がでません。
市販されている妊娠検査薬の適切な検査時期は、生理予定日の1週間目以降です。早期妊娠検査薬の場合、生理予定日当日以降での検査が推奨されているため、生理予定日以前に検査するのは控えましょう。
妊娠検査薬の検査で正しい判定結果が出る確率はどれくらい?
妊娠検査薬の判定精度は、正しく使用すれば99%以上といわれ、妊娠の判別をするうえでは非常に有効といえます。
ただし、判定結果の精度は高くても、正常妊娠か否かまでの判別はつきません。判定結果が陽性であっても、受精卵が子宮内膜以外で着床している子宮外妊娠や、胎嚢が見つからないケースなどもあります。
妊娠検査薬の判定結果が陽性でも、妊娠に異常がないかどうか、医師の診断を受ける必要がありますので、必ず受診しましょう。
妊娠検査薬で偽陽性・偽陰性が出たケース
市販の妊娠検査薬の精度は非常に高くなっていますが、偽陽性や偽陰性といわれる、誤った判定結果が出ることもあります。ここでは、疑陽性や偽陰性の原因について解説します。
【偽陽性】妊娠していないのに陽性が出た原因
妊娠検査薬を使用した際、妊娠していないにもかかわらず、陽性判定になることがあります。これを偽陽性といいます。
偽陽性になるおもな要因は、以下のとおりです。
- 排卵誘発剤を使用している
- 糖尿病
- 検査の際に尿をかけすぎた
不妊治療などで、排卵誘発剤を投与または服用している場合、偽陽性になる確率が高くなります。排卵誘発剤の中には妊娠ホルモンが含まれているため、投与期間中は尿中の妊娠ホルモン濃度が高くなりやすくなるためです。
糖尿病を患っている場合も、偽陽性が出やすくなります。糖尿病の方の尿中には、通常より多くの糖や血液、タンパク質などが含まれており、正しい判定結果につながりにくいケースも目立ちます。
また、検査の際に尿をかけすぎてしまった場合にも、偽陽性が出やすくなります。妊娠検査薬は、尿が多すぎたり少なすぎたりしても、正しい結果が出にくいと言われています。使用する際には、説明書をしっかり読んでから検査するようにしましょう。
【偽陰性】陰性なのに妊娠していた原因
実際は妊娠しているにもかかわらず、妊娠検査薬で陰性判定が出ることがあり、これを偽陰性といいます。
偽陰性のおもな原因は、以下のとおりです。
- 妊娠検査薬を使うタイミングが早すぎた
- 検査前に水分を摂取しすぎた
- 多胎児を妊娠している
偽陰性で多い原因は、検査するタイミングが早すぎるフライング検査によるものです。妊娠検査薬での判定精度を高めるには、適切な検査時期を守ることが大切です。
また、検査前に水分を多く摂取しすぎることで、偽陰性になることもあります。水分を多く摂取すると、尿中に含まれる妊娠ホルモンの濃度が一時的に低くなることがあります。妊娠検査薬は、濃度が判定基準値に達していないと陰性になるため、検査前の水分摂取量には注意が必要です。
妊娠ホルモン濃度が高すぎると、まれに陰性判定が出ることがあります。特に、多胎児を妊娠している場合、単胎児よりも妊娠ホルモンの分泌量が増え、濃度が高くなりやすくなります。
陰性判定が出ても、生理が来なかったり体調が優れなかったりする際には、必ず受診するようにしましょう。
妊娠検査薬で陽性が出たらすぐに産婦人科へ
生理予定日1週間目以降に検査し陽性判定が出た場合は、すみやかに産婦人科を受診しましょう。
市販の妊娠検査薬で妊娠の有無はわかりますが、妊娠が正常に継続できているかどうかまではわかりません。陽性判定が出ていても、受精卵が子宮内膜に着床せず、胎嚢が育たなかった化学流産などの可能性もあります。妊娠検査薬で陽性が出て安心するのではなく、産婦人科受診の目安だと考えておくといいでしょう。
ただし、フライング検査した方や早期妊娠検査を使用している場合、検査直後ではまだ胎嚢がないこともあります。受診のタイミングが早すぎると、再度受診し直すことになりますので、生理予定日1週間目以降に受診しましょう。
妊娠検査薬は妊娠判別の参考になる。正しい使い方で活用しよう
妊娠検査薬は、自宅ですみやかに妊娠判定ができるうえ、判定精度が高い製品も増えています。適切な時期に正しい使い方をすることで、信頼できる判定結果になるでしょう。
ただし、陽性判定の場合でも、正常妊娠かどうかまではわかりません。陽性が出た際は、すみやかに産婦人科を受診し、妊娠に異常がないかの診断を必ず受けましょう。