排卵検査薬を使い始めるタイミングは?検査の回数・選び方も解説

妊活を進めるうえで、排卵日予測はとても大切です。排卵日をより正確に予測するには、排卵検査薬の活用がおすすめです。

しかし、「排卵検査薬を使うタイミングがわからない」「排卵検査薬の選び方がわからない」など、疑問の声も多く聞きます。

この記事では、排卵検査薬を使い始めるタイミングや効果的な使用回数をはじめ、失敗しない選び方などについて解説します。

排卵検査薬を初めて使用する方や、疑問がある方はぜひ参考にしてください。

排卵検査薬を使うタイミング・回数など正しい使い方を解説

そもそも排卵検査薬とは、尿の中に含まれる黄体形成ホルモンの濃度を測定し、最も妊娠しやすい排卵日を約1日前に予測するものです。

ただし、分娩後や流産後の場合は、ホルモンバランスが乱れなどによる無排卵の可能性もあるため、月経が始まってから検査薬を使用するようにしましょう。

また、以下に当てはまる方は、正確な測定結果にならない可能性があるため、医師に相談することをおすすめします。

  • 不妊治療を受けている
  • 適切な時期に性交渉しているにもかかわらず1年以上妊娠しない方
  • 生理や生理周期に異常がみられる方

ここからは、排卵検査薬を使うタイミングや回数、正しい使用方法などについてさらに詳しく解説します。

排卵予測日の5日ほど前が使い始めのタイミング!

排卵検査薬は、排卵予測日より5日ほど前から使用しておくのがおすすめです。

妊娠の確率が最も高まるのは、排卵日の2日前と前日と言われています。排卵後から次回の月経までの間は、妊娠の可能性が低いため、妊娠確率が高い期間は、ひと月内にわずか2日ほどしかありません。

排卵日前に確実に性交渉するには、適切なタイミングで排卵検査薬を使い始めることが大切です。

使い始めるタイミングが遅くなればなるほど、排卵日直前になるため、性交渉の機会が減りかねません。排卵予測日の5日ほど前から使用しておくことで、余裕を持ってスケジュールを組めるでしょう。

さらに、検査結果の正確性をあげるためには、排卵検査薬とあわせて日ごろから基礎体温をつけておくことも大切でしょう。

基礎体温をつけることで、排卵予測日の推定がよりしやすくなりますし、現在の体の状態を知るきっかけにもつながります。

朝一番の尿は避けて1日2回使用する

排卵予測は、黄体形成ホルモンの濃度や分泌量を測定します。

黄体形成ホルモンは排卵日前になると分泌量や濃度が増しますが、短時間しか放出されないため、1日2回できるだけ同じ時間帯に検査することで、より正確な検査結果が得られやすくなります。

ただし、朝一番の尿は、成分が濃縮されていて正確な測定結果を得られにくいため、避けましょう。

検査のタイミングは、生活パターンにもよりますが、日中仕事や家事などがある方は、朝夕に検査するのがおすすめです。

以下は、排卵検査薬の正しい使用方法です。

1.使用期限を確認して排卵検査薬を袋から取り出す

排卵検査薬を袋や箱から取り出す際には、使用期限を必ず確認しましょう。使用期限が切れていると、正確な検査結果が出ないことがありますので、期限切れの検査薬は使わないようにしてください。

2.採尿部のキャップを外してお尻側にセットする

採尿部のキャップを外し、反対側の部分に外したキャップをはめます。

外したキャップの取り扱いは、メーカーによって仕様が異なる場合がありますので、付属の説明書をよく読んで対応してください。

3.採尿部に2〜5秒間直接尿をかける

指定された時間、採尿部に直接尿をかけます。

直接尿をかける場合、尿をかける時間が指定より短すぎると、正確な検査結果が出にくくなりますので注意してください。

紙コップなどを使用する場合は、紙コップにとった尿に採尿部分全体がしっかり浸かるようにしましょう。使用する紙コップは、乾いた清潔なものを使用します。

メーカーによって、尿をかける時間が異なります。使用する排卵検査薬の説明書をよく読み、その指示に従いましょう。

4.採尿部にキャップをつけて水平な場所に置き3〜5分待つ

採尿部に尿をつけたらキャップをし、平らな場所に置き指定された時間待ちましょう。

判定時間内でも、判定窓に薄く色づき始めることがありますが、必ず指定時間を待ってから判定するようにしてください。

5.判定窓のラインを確認する

指定された待ち時間が経過したら、判定窓のラインをチェックします。判定チェック方法は、以下のように、判定窓にある基準ラインと判定ラインを比較します。

排卵が近い状態になると、以下のような陽性反応が検出され、判定ラインが基準ラインと同等かそれ以上の濃さで浮かび上がります。

出典元:ドゥーテストLH 排卵日予測検査薬の使い方動画 

陰性の場合は、以下のように、基準ラインより薄い判定ラインになるか、判定ラインに何も出ません。

出典元:ドゥーテストLH 排卵日予測検査薬の使い方動画

黄体形成ホルモンは、日常的に少しずつ分泌されているため、排卵間近ではない場合でも薄く判定ラインが現れるケースもあります。

また、排卵日間近にもかかわらず、陰性になる場合もあります。陰性の理由として、排卵間近ではないこと以外に、検査時の尿量が足りていないことも挙げられます。尿量確認ラインがある検査薬もありますので、あわせてチェックしてみると良いでしょう。

※メーカーによっては、尿量確認判定が付属していないものもあります。

排卵日をより正確に予測するためにやるべき3つのこと

排卵日予測の正確性を上げるには、排卵検査薬の使用とあわせて、以下の3つを取り入れることも大切です。

  1. 毎日基礎体温の計測で体の状態をチェックする
  2. 次回月経予定日約20日前からおりものの状態を確認する
  3. 次回月経予定日約17日前から排卵日予測検査薬で確認する

特に、基礎体温チェックは排卵日予測だけでなく、現在の体の状態を知るきっかけにもなる大切な習慣ですので、ぜひ取り入れましょう。

毎日基礎体温の計測で体の状態をチェックする

排卵日予測の正確性を上げるには、基礎体温を毎日チェックすることが大切です。

基礎体温を測りグラフ化していくと、正しい月経周期の場合、低温期と高温期の2層に分かれます。排卵日は、低温期から高温期に変わるタイミングで訪れるため、体のリズムや体調変化が一目で分かるようになるでしょう。

さらに、基礎体温表により排卵日予測ができるので、適切なタイミングで排卵検査薬を使い始めることが可能です。

基礎体温をつけ続けると、体に起こっている不調にも気が付きやすくなります。

高温期がなく体温がほぼ一定だったり、グラフが細かい折れ線グラフのようになっていたりする場合など、異常がすぐにわかるため、早めの受診につなげられます。

毎日基礎体温をつけることは、体のリズムや状態を知るきっかけにもなるため、早めに習慣化しておくと良いでしょう。

次回月経予定日約20日前からおりものの状態を確認する

おりものの状態は時期によって変化するため、排卵日の目安のひとつになります。

排卵日が近づくと、卵胞ホルモンの分泌が増えてくるため、粘り気の強い透明のおりものが増えます。月経が終わった頃のおりものは、粘り気もほとんどなく、白色です。

粘り気が増し白色から透明のおりものになってくると、排卵日が近いと分かります。

ただし、おりものの状態は、体調や感染症の有無などによって変わることも多いため、あくまでも排卵日を予測する目安のひとつとして捉えておくと良いでしょう。

次回月経予定日約17日前から排卵日予測検査薬で確認する

排卵日予測をより正確に行うためには、遅くとも月経予定日の17日前になったら排卵検査薬を使用しましょう。

月経が28日周期の場合、月経予定日の17日前は排卵予定日の2〜3日前になります。このタイミングで排卵検査薬を使用すると、翌日〜2日後に排卵することになるため、検査薬の使用開始に適切なタイミングといえます。

ただし、生理周期にバラつきがある方や、性交渉の回数を少しでも増やしたい方は、次回月経予定日の20日程前から検査しておくと、さらに安心です。

排卵検査薬選びで失敗しないためのポイント

排卵検査薬は数種類販売されており、メーカーなどによって使い方や性能が異なります。

ここからは、排卵検査薬を選ぶ際に大切な3つのポイントについて解説します。

  1. 初めて使用するなら日本製がおすすめ
  2. 判定の分かりやすさで選ぶ
  3. 感度の良さで選ぶ

排卵検査薬選びに迷っている方は、参考にしてみてください。

初めて使用するなら日本製がおすすめ

初めて排卵検査薬を使用する場合は、日本製を使うのがおすすめです。一般的に日本製の検査薬は、プラスチック製のスティックタイプが多いため、トイレに落としにくく、持ちやすいのが特徴です。

海外製は、紙製のスティックタイプが多いため、使い慣れていないと、少し不便だという声もあります。付属の説明書も、日本語表記の方が分かりやすいうえ、安心して使用できるでしょう。

なお、初めて排卵検査薬を使用する方には、尿量確認ラインがついているROHTO「ドゥーテストLH Ⅱ」がおすすめです。

陰性になる原因のひとつに、検査時の尿量が足りないことがあります。特に、初めて使用する方に多いため、慣れるまでは尿量確認ラインがあると安心です。

また、判定ラインの本数によって、尿中の黄体形成ホルモン濃度がわかる「Hi Tester」なども、排卵日の予測がつきやすいためおすすめです。

判定の分かりやすさで選ぶ

排卵検査薬は1回使用して終わりではなく、排卵日までの数日間使用するため、判定結果が分かりやすいものを選びましょう。

現在市販されている排卵検査薬には、判定結果の表示がデジタル式とアナログ式のものがあります

デジタル式は、判定結果がスマイルマークで表示されるなど、一目で陽性と陰性の判別がつくのがメリットです。

アナログ式は、判定結果がラインで現れるものが多いです。ラインの有無や色の濃淡で判定するものや、ラインの本数で黄体形成ホルモンの濃度がわかるタイプなど、さまざまな種類が販売されています。

なお、複雑な表記を避けたい方には、判定結果がシンプルで分かりやすいオムロンのクリアブルーがおすすめです。尿をかけて3分間でチェックできるうえ、判定結果の表示もシンプルです。忙しい方や、陽性陰性の結果だけ知りたい方に良いでしょう。

感度の良さで選ぶ

排卵検査薬においての感度の良さとは、黄体形成ホルモンの分泌を、より早い段階から感知できるということです。検出感度は、mlU/mLという単位で表記され、日本製や海外製も含め、20mlU/mL〜50mlU/mLのものが一般的です。

検出感度はメーカーや商品ごとに異なり、数値が低いものほど、黄体形成ホルモンの濃度が低いタイミングから感知可能になります。排卵予測日の数日前から判定をチェックしたい方は、検出感度の数値が低いものを選ぶと良いでしょう。

日本で市販されている検査薬は、30mlU/mL〜40mlU/mL前後の検出感度が中心です。海外製品には、日本より感度の高い製品も販売されていますが、検出感度の良さと性能は必ずしも一致するとは限りません。

排卵検査薬は、あくまでも目安のひとつです。排卵日予測をより確実に行うためには、排卵検査薬だけでなく、日々の基礎体温チェックも重要です。

排卵検査薬を選ぶ際には、判定結果の確実性や検査の慎重性を重視した製品を選ぶと安心です。

参照:厚生労働省「黄体形成ホルモンキットに係る一般用検査薬ガイドライン(修正案)」

性行為のベストタイミングは排卵検査薬が陽性になったらすぐ!

排卵検査薬の結果が陽性になったら、なるべく早く性行為のタイミングを持つことが重要です。

一般的に妊娠の確率が上がる期間は、排卵日の4日前〜排卵日当日の5日間です。その中でも、排卵日の2日前と前日は妊娠の可能性が最も高くなるタイミングと言われています。

排卵検査薬が陽性になるのは、黄体形成ホルモンの濃度が一定以上になってから、排卵当日のわずかな期間しかありません。さらに、精子の寿命が3日間なのに対し、卵子の寿命は排卵後わずか1日です。

排卵が起こるタイミングで、精子がすでに子宮内にないと妊娠確率は低くなるため、陽性判定が出たらすぐにタイミングを持つことが大切です。

また、判定結果が陰性に変わるまでの間は、なるべく多く性交渉の機会を持つことも、妊娠の確率を上げるポイントです。

排卵検査薬を正しく使用して妊活に役立てよう

妊娠の確率を上げるには、排卵検査薬を正しく活用することと、毎日の基礎体温チェックが欠かせません。

妊娠する可能性が高いわずかな期間を逃さないために、排卵検査薬の正しい効果的な使い方を知ることが大切です。

基礎体温のチェックも踏まえて、上手く妊活に取り入れてください。