男性のための妊活Q&A【後編】〜精子の増やし方と観察〜
「男性も妊活!?」と思った方は、特に必見です。
女性の妊活については多くの情報がありますが、まだあまり知られていない「男性の妊活」について、実際にTENGAヘルスケアに寄せられた質問から、後編もQ&A形式で3つ実例を紹介します。
前編はこちら↓
〈参考〉 男性のための妊活Q&A【前編】
目次
妊活中の男性はお酒を飲んでも大丈夫?
結論から言うと、男性の飲酒は、適量であれば妊娠率に影響しないことが報告されています[1]。
ただし、過度な飲酒は妊活に限らず身体に悪影響なので、日頃から適量を心がけることが重要です。また、アルコールによって勃起がしづらくなる方は、性行為前の飲酒は控えた方が良いかもしれません。
夫婦で支え合って妊活を
ちなみに、女性の飲酒も、適量であれば妊娠率への影響は少ないと報告されています[2]。
ただし男性同様、過度な飲酒は控えましょう。男女共に適度なお酒の楽しみ方を意識していただくと良いでしょう。
また、女性が妊娠した場合は禁酒する必要がありますので、パートナーの飲酒に対して、「自分は我慢しているのに、隣で気にせず飲む夫にイラッとする」「お酒の匂いがするだけで不快に感じる」という意見もよく聞かれます。この辺りも、男性は意識できると良いでしょう。
男女共に、適量の目安などは以下の記事で紹介しています。
〈参考〉 妊活中のお酒はOK?
精子の質や形はどうすればわかる?
まず、精子(精液)の質には、[精液量] や [精子濃度]、精子の [運動率]
など、複数の項目があります。これらの項目を診て、「精液所見(精液の質)が良い/悪い」といった診断が行われます。「質の良い精子(精液)」とは、これらの項目が良好で、妊娠に至れる可能性の高い状態を指します。
〈参考〉 精液検査の結果の見方
精液所見の内、自然妊娠のためには、1回の射精当たりの運動している精子の数(総運動精子数)が大切です。総運動精子数は、[精液量] × [精子濃度] × [運動率]
で計算されます。これらの項目の内、目に見えるのは [精液量]
だけです。妊活中の方は、ぜひ精液検査を受けて、自分の精液の状態を確認しましょう。
〈参考〉 精液量の重要性
[3]より引用
精子の形態
次の「精子の形」の話ですが、精子はおおまかに、「頭部」「中片部」「尾部」の3つで構成されていますが、精子がどれも同じ形だと思ったら大間違いです。上の図のように精子には様々な形があり、一番左の「正常精子」以外は全て形態不良の「異常精子」に分類されます。
全精子に占める正常精子の割合は [正常形態率]
と呼ばれますが、基本的にこの割合は低く、WHOの最低基準値では僅か4%です。
妊娠や胎児の発育のためには、「正常精子」が受精する必要があります。正常形態率を検査できる医療機関は限られていますが、妊活の成否を左右することもあるので気になる場合は検査可能な医療機関を探して、検査を受けましょう。
〈参考〉 精子の形 正常形態率とは?
精子観察「メンズルーペ」
でもいきなり医療機関に行くのは腰が重い、と感じる方には、『TENGA MEN’S LOUPE』がオススメです。メンズルーペは、スマホを使った精子観察キットで、¥1,500で4回使用できます。
iPhoneなら、専用アプリで観察のサポートや、撮影した自分の精子の動画と、サンプル動画との比較ができます。
※2024年2月末まではサンプル動画との比較ではなく、数値解析機能をご使用頂けます(iOS限定)
ただし、メンズルーペは簡易観察キットなので、診断にはなりません。日々の変化はメンズルーペでチェックし、詳細な検査は別途医療機関で受けることを推奨します。
〈参考〉 妊活・不妊に悩む前に、自分の体を知る一歩として スマホ用精子観察キット「TENGA
MEN’S LOUPE」
Q.3 精子の数を増やすには?
射精した精液の量が多くても、精子の数が多いとは限りません。精液検査をしないと、実際の精子の数はわからないでしょう。妊活中や妊活予定の男性は、ぜひ生活習慣の見直しと共に、精子の数を減らさない習慣を生活に取り入れていきましょう。
精子を守るための7カ条
精子の数を減らさないためには、規則正しい生活習慣を整えることとは別に、精子作りを阻害するNG行為を避けて、精子を守ってあげることが大切です。簡単なものから、なかなか継続が難しそうなものもありますが、ぜひ心がけましょう。
〈参考〉精子を増やす7ヵ条
精育支援サプリメント
サプリメントで精子が作られやすい環境を整えることも有効です。
女性用に葉酸などのサプリがあるのと同じように、男性にも妊活に適したサプリがあります。サプリは体のコンディションを整えることで妊活をサポートしてくれます。
〈参考〉 「精育支援サプリメント」で体と心に栄養を
まとめ:早め早めの妊活を
いかがでしたか?今回は男性の妊活についてQ&A形式で3つの実例を紹介しました。男性不妊の基礎知識や、今からできる男性の妊活方法がおわかりいただけたと思います。
妊活は女性だけでなく男性も一緒に取り組むものです。男性も適切な知識を身に着け、夫婦一丸となって妊活に取り組みましょう。早め早めの行動が、あなたの将来を変えてくれるはずです。
前編はこちら↓
〈参考〉 男性のための妊活Q&A【前編】
【参考文献】
[1]Høyer, S., et al. “Male alcohol consumption and fecundability.” Human
Reproduction 35.4 (2020): 816-825.
[2]Mikkelsen, Ellen M., et al. “Alcohol consumption and fecundability:
prospective Danish cohort study.” bmj 354 (2016).
[3]花小金井レディースクリニック, 不妊症の検査について
<この記事の監修>
聖隷浜松病院リプロダクションセンター センター長
今井 伸(医師)
■泌尿器科医 ■性機能専門医 ■生殖医学会生殖医療専門医
■性科学会認定セックス・セラピスト専門医
聖隷浜松病院リプロダクションセンター
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 教育事業部
福田 眞央(ふくだ まお)
平成6年生まれ。保健体育科教員として高等学校に勤めた後に大学院に入り、ジェンダー学・性教育を専攻。2021年より株式会社TENGAヘルスケアに携わり、主に性教育WEBサイト「セイシル」を活用した教材作成に取り組む。
みなさんの心と身体の健康をサポートできるような情報を発信していきます!