妊活中の食事は抗酸化が大切?男女共に心がけたい、抗酸化を意識した食活習
妊活中やこれから妊活する方は、日々の「食事」に気を配っていますか?あなたが食べた物が、血となり肉となり、精子や卵子、そして受精卵を育てる栄養となるため、妊活において何を食べるかは非常に大切です。
この記事では、妊活で大切な「食事」、その中でも意外と知られていない「抗酸化物質」について紹介していきます。男女共に、食事は今日から始められる妊活です。ぜひ上手く取り入れましょう!
目次
妊活の食事で気を付けるべきこことは?
妊活中の食事で気を付けるべきことは、実は基本的なことばかり。
- 朝昼晩、毎日3食を決まった時間に食べる
- 色々な食品をまんべんなく、バランス良く食べる
- 適量を食べる
- 夜食は控える
妊活中でなくても、守りたいことばかりですね。
上記以外に、妊活中は「ビタミンA(レバーなど)を過剰摂取しない」等の注意点がありますが、妊活中の食事についてはいくつかのサイトで非常に良くまとめられています。
どのサイトも勉強になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
- HiTester 妊活を知ろう 食事で妊活
- ユニ・チャーム 食事で妊活!食べ物と食べ方で妊娠体質に変わる!
- LIVING ROOM ベビ待ちさん必見!授かり体質になる決め手は「食」!
- 新宿加藤鍼灸院・整骨院 妊活中の食べ物「海苔・卵・大豆を取り入れた食事のご提案」
- 五月が丘鍼灸治療院 妊活中にレバーはNG?!
また、妊活中の飲酒について知りたい方は、以下を参考にしてみてください。
<参考>
妊活中はお酒を控えるべき?知っておきたい飲酒の影響とお酒との付き合い方
妊活中に意識したい抗酸化
さて、それではここから本題の「抗酸化」について説明していきます。
抗酸化とは何か?
まず「酸化」についてですが、これは体が「サビてしまう」というイメージの現象です。
ヒトを含む哺乳類の体内では、日々の呼吸やストレスによって「活性酸素種(Reactive oxygen species: ROS)」が生成されます。この「活性酸素種」が過剰に蓄積されると、「酸化ストレス(Oxidate stress: OS)」という状態になります。「酸化ストレス」は、アポトーシス(細胞の自死)などを引き起こし、全身の細胞に様々な悪影響を及ぼします。
酸化ストレスによって、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、がんなどの重大疾患のリスクも上昇すると言われています。
この活性酸素種を分解する「抗酸化物質」の働きや、そもそも活性酸素種を蓄積させないような生活スタイルなどを指して、「抗酸化」と呼びます。
ヒトの身体には元々、活性酸素種を分解する抗酸化酵素による、抗酸化機能が備わっています。しかしこの抗酸化機能は、年齢とともに低下します。年を取ると肌荒れやシワ、シミができたり、若いころよりも疲れやすくなったな、と感じることがあると思いますが、実はこれらは、加齢による抗酸化機能の低下が一因となっていると考えられています。
抗酸化と妊活の関係
この酸化ストレスによる細胞への悪影響は、精巣や卵巣も例外ではありません。精巣や卵巣に蓄積された活性酸素種が、酸化ストレスを引き起こし、DNAの断片化やアポトーシスを引き起こすことが、複数の研究で報告されています[1][2]。
特に女性は、卵子のもとになる細胞を、全て体内に持った状態で産まれてきて、それが新たに生成されることはありません。つまり、一度酸化ストレスで卵子が傷つくと、その細胞のダメージは一生残ってしまいます。この観点から、妊活中や妊活前の女性の抗酸化は、生殖能力を維持する上で非常に重要だと言われています。
抗酸化の方法
では次に、抗酸化の方法を紹介したいと思います。抗酸化には、主に二つの方法があり、一つ目はそもそも活性酸素種を溜めないようにすること、二つ目は活性酸素種を分解する抗酸化物質を摂取することです。
生活習慣を見直して抗酸化
ではまず、活性酸素種を溜めないようにする方法です。これは一言でいうと、心身共に健康な生活を心がけることです。妊活に限らず、健康維持のためにも重要な習慣ばかりなので、日頃から気をつけるようにしましょう。
<抗酸化のための生活習慣>
- 禁煙
- 過剰なアルコールは控える
- ストレスを溜めない
- 適度な運動の習慣
- 質の良い睡眠
抗酸化物質が豊富な食材
次に抗酸化物質を摂取する方法ですが、これも単純で、抗酸化物質が豊富な食品を摂取するようにしましょう。
<抗酸化物質を含む食品>
- ビタミンC : 果物全般
- ビタミンE : アーモンド、植物油 など
- ポリフェノール : 赤ワイン、ブルーベリー など
- カテキン : 緑茶
- リコピン : トマト、スイカ など
抗酸化物質を含む食品は上記以外にもたくさん存在します。色々な食品をまんべんなく、バランスよく食べるという妊活の食事の基本を意識し、ぜひ日々の食事に取り入れてみましょう。
サプリメントで抗酸化
生活習慣の改善や、抗酸化物質の摂取で抗酸化ができることは分かりましたが、実践するのはなかなか難しいでしょう。そのような場合は、サプリメントでの抗酸化も可能です。抗酸化には、以下の成分を含むサプリメントがオススメです。
<サプリメントで摂取できる抗酸化物質>
- コエンザイムQ10
- アスタキサンチン
- シラジット
- ビタミンE など
この中でも、コエンザイムQ10は抗酸化物質として有名で、様々なメーカーからサプリメントが発売されています。またシラジットには、体内でのコエンザイムQ10の働きを向上させる効果があると言われています[3]。もし抗酸化のためにどのサプリメントを飲むか迷った際には、コエンザイムQ10とシラジットが両方入ったサプリメントがオススメです。
まとめ:妊活中は抗酸化を意識した食事や生活を
今回は、妊活における抗酸化の重要性と、その方法について解説しました。生活習慣や食事の改善を継続するのは大変ですが、男女共にその積み重ねが、妊活の成否を分ける可能性があります。今回紹介した方法は妊活だけでなく、日々の健康にも直結するので、できることからコツコツと始めてみてはいかがでしょうか。
【参考/出典元】
[1]Sabeti, Parvin, et al. “Etiologies of sperm oxidative stress.” International Journal of Reproductive BioMedicine 14.4 (2016): 231.
[2]Prasad, Shilpa, et al. “Impact of stress on oocyte quality and
reproductive outcome.” Journal of biomedical science 23.1 (2016): 1-5.
[3]メイプロインダストリーズ株式会社 PrimaVie(プリマビエ)シラジット
聖隷浜松病院リプロダクションセンター センター長
今井 伸(医師)
■泌尿器科医 ■性機能専門医 ■生殖医学会生殖医療専門医
■性科学会認定セックス・セラピスト専門医
聖隷浜松病院リプロダクションセンター
<著者プロフィール>
TENGAヘルスケア 研究開発主任
牛場 栄之(うしば ひでゆき)
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
製品開発のかたわら、皆さんに役立つ性や妊活の情報をお届けします!