「障がい者の性~その基本的な考え方~」記念講演会開催!

皆さま、こんにちは!
桜の花が咲いている小道を歩き、春が来ていることにテンションが上がり始めております。お団子と日本酒は決定済みですが、お弁当の中身をどうしようかと悩み中です。桜の花が散る前にポッカポカなお花見日和を狙

さて、こちらのブログで前回ご紹介させていただきました「障がい者・児の性と生を考える会」ですが、2月25日に松山市中央児童センター(愛媛県松山市)にて、当会初イベントの記念講演会を開催いたしました。

<記念講演タイトル>
「障がい者の性~その基本的な考え方~」
<講 師>
児嶋 芳郎先生
(広島都市学園大学 子ども教育学部 子ども教育学科 准教授)
(研究分野:障害児教育学・特別支援教育など。障がい児の性教育に取り組み始めて約25年。)

児嶋先生の最初に発した言葉が大変衝撃的でした。
私の話をお聞きいただくと、目の前の人たちの『性的な問題行動』がなくなります!しかし、目の前の人たちの『行動』は一切変わりません!

「性的な問題行動」に悩んでいる方々が多いであろう来場者にこの言葉。
来場者の心は鷲掴みにされたことでしょう。この言葉から始まった話は、不安を抱えた心に語り掛けられているかのように響いていきました。

初めての記念講演となるこの会で児嶋先生にお話ししていただくことができたことは、私にとっても、参加者の皆さんにとっても、大きな学びとなったことと思います。以下に少しではありますが覚書を…

<それは本当に性的な「問題行動」なのか?>

児嶋先生の最初に発した言葉が大変衝撃的でした。
「私の話をお聞きいただくと、目の前の人たちの『性的な問題行動』がなくなります!しかし、目の前の人たちの『行動』は一切変わりません!」

「性的な問題行動」に悩んでいる方々が多いであろう来場者にこの言葉。
来場者の心は鷲掴みにされたことでしょう。この言葉から始まった話は、不安を抱えた心に語り掛けられているかのように響いていきました。

初めての記念講演となるこの会で児嶋先生にお話ししていただくことができたことは、私にとっても、参加者の皆さんにとっても、大きな学びとなったことと思います。以下に少しではありますが覚書を…

<それは本当に性的な「問題行動」なのか?>

相手を変えようとするのではなく、自分の視点を変える。
視点は、新しい知識や情報によって今までにない見方を知り、それを受け容れることで豊かになっていきます。
つまり、“自分が変わること”

目の前で生じている行動にだけ目を向け、咄嗟に否定する。
「やめなさい!」「だめ!」「いけません!」……

上記の行動を否定する言葉は、“ 行動 ”に目を向けて、“ 行動 ”をやめさせようとしています。しかし、これでは一時的に行動が止まったとしても、同じことが繰り返されることでしょう。何かしらの“ 行動 ”が生じるには、その行動に至るまでの“ 理由 ”があるのです。

“なぜ、その行動をしているのか”

世の中の性的行動に対するマイナスのイメージに囚われて、目の前の性的な行動を全て否定的に考えていませんか?

例えば、この活動をしていて、「子どもが性器を触ってしまうこと」について、不安を抱えている親御さんに声を掛けられることが時々あります。
もしかしたら、そのお子さんは、下記の様な“ 理由 ”があって性器を触っているのかもしれません。

・何していいのか分からない、緊張、不安状態などにあり、性器を触ることで「心地よさ」を感じているのであれば、緊張や不安といった気持ちを落ち着かせようと触って、その状況に対して自分なりに頑張っている。
・何らかの炎症などにより、「かゆみ」や「痛み」を感じているのであれば、その症状を緩和させようとして触っている。
・射精にまで至ることが出来ず(方法を知らず)に、性器に違和感を感じているのであれば、その違和感を解消しようと触っている。
…「性器を触っている」という行動の背景には、上記以外にもさまざまな理由がありそうです。
“行動”ではなく、誰かに教えられた理由ではなく“目の前にいるその子の理由”に目を向けると、今までにない視点に気づくかもしれません。

<人間の性の本質>

「人間の性の本質は、“心地いい”というところにある。それなのに、私たちは非常にマイナスのイメージを持ち、“心地よさ”を話すのに躊躇したり、認めることが難しかったりする。特に学校現場では、この“心地いい”ということが排除されてしまう。この“心地よさ”というところを肯定するところから、私たちは性をスタートさせていく必要がある」(児嶋先生)

児嶋先生の仰ったことを踏まえると、「性器を触ってしまうこと」も“心地よさ”があるからこそ、ということが見えてきます。そこを否定してしまっては、始まらないのです。
<h3"><性器を触ること=マスターベーション?>

性器を触ることは、“心地いい”けれど、非常にデリケートなところ。
触っていることには理由があるいうことを上記に述べました。
色眼鏡で見ているだけでは見逃してしまうこともあるのです。

単なるマスターベーションだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。特に自分の子どものことになると否定的に捉えられがちですが、マスターベーションにもちゃんとした役割があり、とっても大切な行為なのです。その点についても、児嶋先生が述べてくださいました。

【マスターベーション】が果たす役割
①セルフ・プレジャー(自己娯楽)
②セルフ・コントロール(自己管理)
③セルフ・ディスカバリー(自己発見)
④セルフ・プライバシー(自己秘密)

マスターベーションにも、性欲以外の“ 理由 ”があるのです。
「やめなさい」といった行動自体を否定をするのではなく、「私は嫌」という関係性の上での気持ちやルールを伝えることが必要だそうですよ。その行為を否定するだけではちゃんと伝わりません。

多数派がどうしても力を持ってしまう社会に呑み込まれる必要はどこにもありません。
社会が作り上げてしまったイメージではなく、自分の目で見る必要があるのではないでしょうか?

自分の精一杯の行動や大事なものを否定されたい人はおそらく居ません。
相手の行動や大事なものに対して、何も知らないまま否定しまうのは、お互いのすれ違いを大きなものにしていきます。
相手と向き合うためには、表面的なものだけでなく、その背景にも目を向けて、やっと相手を知ることができるのだと思っています。

この講演会に参加してくださった方々が新しい視点に立って、少しでも前に進めるといいな!
次回、講演会になるかは未定です。交流会や座談会、相談会になるかもしれません。
また決まり次第告知いたします!

協賛してくださった企業様/団体様、本当にありがとうございました!!!
個人、団体ともに賛助会員を随時募集中です。
ご興味のある方は、中野までご連絡くださいませ。
nakano@tengahealthcare.co.jp

@松山空港。蛇口から蜜柑ジュースって、噂が先ですから。

NPO市民団体「障がい者・児の性と生を考える会」を共同設立しました!
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