第19回 GID(性同一性障害)学会 in 札幌!

皆さま、こんにちは!
つい先日、お気に入りの魚料理屋で美味しい刺身に舌鼓を打ちつつ、日本酒と焼酎を楽しんでほろ酔い(?)状態で帰宅いたしました。翌朝、「メガネが無い!何も見えない!」と部屋中を探し回りましたがどこにも在らず。諦めて予備メガネを装着し、玄関を開けると…なんと玄関先にメガネが落ちておりました!靴を脱ぐときに落ちたか置いたか、誰かが届けてくれたか、未だに謎です。
メガネが手元に戻り、メガネの大切さを再認識しました。失って気付くとはまだまだだなと反省した中野です。

<GID(性同一性障害)学会 第19回研究大会>

さて、3月18日(土),19日(日)に札幌にて開催された
GID(性同一性障害)学会 第19回研究大会に協賛/参加してまいりました!
今年のテーマは、「GID治療の未来―当事者と医療者の融合―」
大会長は、札幌医科大学の舛森直哉先生でした。

今回の機器展示ブースはこんな感じです。(ポスターをレインボーにしてみました!)

このGID(性同一性障害)学会ですが、他の学会と比べると珍しいところがあります。
・当事者の方も多数参加していること!
・学会後に懇親会とは別に、当事者を含む関係者の交流会があること!
質疑応答の時間には、当事者の方が自らの経験から意見を述べることもしばしばあります。医師や研究者に対して、抜けている当事者視点を指摘したり、自らの考えを発言したりと、積極的な方々もいらっしゃいます。医師や研究者もその発言を受け止めていく、主体を見失っていないとても素敵な学会です。

今学会では、GIDの学校問題、トイレ問題、心理的問題、診断問題、SRS(性別適合手術)問題、家族問題など…2日間にわたり、様々な発表が行われました。

<時々考える「LGBT」という言葉について>

LGBT」がメディアに取り上げられるようになり、 早数年。
社会的な認知度も上がり、状況も少しずつ変わりつつあります。
同性婚に向けて活動が進められていたり、義務教育で学べるようになったり、当事者の方がカミングアウトをして積極的に講演を行い始めたり、サポートが受けられるようになったり、NPOなどの支援団体や当事者団体が立ち上がったり…。こうして社会や文化が少しずつ変わっていくんだなとしみじみと感じております。

ただ、「LGBT」という言葉がメジャーになりすぎて、理解が伴わないまま、単語の独り歩きになっている状況も見受けられます。誤解があってもその単語が使われ続けるからか、他に良い言葉が無かったからか、ずっと批判的な意見が聞こえ続けます。もはや、一種の流行語のような気さえしてきます…。

よく聞く批判的な意見とそれに対するベストであろう考えを少し。

◆「インターセックス(I)は⁉」「アセクシュアル(A)は⁉」などといった、LGBTだけが全てじゃない!性的マイノリティは他にもあって、その存在を無視しないで!というようなご意見。
⇒・「“LGBT”=LとGとBとT」
・「“LGBT”=LとGとBとTを含むセクシュアル・マイノリティーの総称」
これは、下記の認識が良いと思われます。

◆「“L(レズビアン)”、“G(ゲイ)”、“B(バイセクシュアル)”は、性的指向だけど、“T(トランスジェンダー/トランスセクシュアル)”は性自認のことだよね?一緒にされるとややこしい!」というようなご意見。
⇒ 確かにややこしいですが、「LGBを考えるうえでTの視点も必要」というような意味が込められているのかなと平穏に考えています。とりあえず、LGBTの存在を知ってもらおうとしたなら、その点では十分頑張ってくれた単語だと思います。ちょっと後味が悪いけども。

「LGBT」以外にも、「LGBTIAQ」「性的マイノリティ」「性的少数者」「セクシュアル・マイノリティ」など、ほぼ同意義で使用されている言葉が存在します。今学会では「性的マイノリティ」と称されることが多かったです。未だに、私もどの言葉がベストなのか分かりませんが、TENGAヘルスケアではセクシュアル・マイノリティ」を使用しています。
ゆくゆくは、「SOGIE」に落ち着きたいと思っています。

<SOGIE>

国際的にも「SOGIE(Sexual Orientation, Gender Identity,Expression)」が使用されているようです。

“SOGIE”とは、
“SO(Sexual Orientation:性的指向)”、“GI(Gender Identity:性自認)”、“E(Expression:表現)”を組み合わせた概念です。

LGBTだと、社会の中の一部の人というようなマイノリティ感(差別感)が否めないけれど、SOGIEは規模が違います。みんなそれぞれの性的指向、性自認、表現があるということを示しており、「マジョリティがマイノリティを認める」というような意味合いが無く、それぞれがそれぞれの存在を認め合うような、そんな多様性を認め合おうと動き始めている社会にピッタリの言葉!…と思っております。

中野としては、治療などのサポートを受けやすくする、仲間を見つけやすくするためにカテゴリーに分けることも必要だとは思いますが、本来ならば、皆それぞれのセクシュアリティを持っていて、性的指向も性自認も表現も決めつけなくていいものじゃないのかなと思うのです。だから、幾つかにカテゴリー化されたお互いのセクシュアリティを認め合うのではなく、皆違うそれぞれの多様なセクシュアリティを認め合うことが本当の平等なんじゃないかと。今後どの言葉が選ばれ生き残るのでしょうかね。

<iroha活用の可能性?>

TENGA製品を展示していると、MTF(Male to Female)の方から、「膣ダイレーター」としてiroha fitを使いたい!といったご意見を時々いただきます。また、iroha fitは、性交痛のリハビリとして使用している方もいらっしゃいます。ふにふにすべすべした触感の心地良さ、デリケートゾーンに使用するからこそ清潔感を保てる丸洗い可能な構造による安心感、真っ直ぐの固い棒状ではない柔らかさと本体が撓ることで身体にフィットしやすい馴染みやすさ、、悩んでいる方、是非お試しください(ご感想/ご意見募集中です!)

<旅記録>

◆前日夕方に札幌に到着し、会場の札幌医科大学に向かう途中、東京でお花見を妄想していたことを忘れるくらいの雪が積もっておりました。暗い帰り道、空から雪が…。3月といえども札幌、いと寒し。

◆大学院生時にお世話になったゼミ教授(葛西真記子先生)とまさかの再会!
SAG徳島というセクシュアルマイノリティ支援団体を率いている方です。

◆懇親会でのジンギスカン。コートをお店から渡されたゴミ袋に入れて匂いから守りました。美味しかった~!

◆商店街に居た強面タヌキ。いい表情をしておりました。

…お花見行きたい。

「障がい者の性~その基本的な考え方~」記念講演会開催!
第5回知っているようで知らない~性の健康セミナー@秋葉原